おもちゃが欲しくて友達を叩く 子どもの問題行動とその対処方法
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「お菓子が欲しいとスーパーで泣きわめく」
「笑いながら人に向かっておもちゃを投げる」
子どもは障害の有無に関わらず、時に大人が「どうして?」と思うような問題行動をとることがあります。
子どもの問題行動への対応を考える時、その「どうして?」の意味を考える必要があります。
問題行動の種類
問題行動には、必ず原因があります。
問題行動が起こった時、まずはどうしてそのような行動をとっているのか、状況を把握することが大切です。
問題行動には以下の目的や効果があり、その目的を達成するために行動をしています。行動の種類によって対応方法も変わってきます。
有形物獲得行動(物を得るためにする行動)
例:スーパーで泣いてお菓子を買ってもらう
注目獲得行動(人からの反応を得るためにする行動)
例:大人を叩いて走って逃げる
逃避行動(嫌な事から逃げるためにする行動)
例:授業中に離席して床に寝転ぶ、テストをくしゃくしゃにして投げる
自己刺激行動(自ら刺激を得るためにする行動)
例:手のひらをひらひらさせる、身体を前後にゆらす
今回はこの4つの中の「有形物獲得行動」について詳しく見ていきます。
有形物獲得行動とは
自分の欲しい物が手に入らない、やりたい活動ができない状況で、それを得るために起こす行動のことを言います。
「おもちゃが欲しい」「おかしが欲しい」「Youtubeが見たい」等の要求を叶えることが行動の目的です。
例で考えてみましょう
すると弟は泣いて、遊んでいたおもちゃを置いてお母さんの元へ走って行きます。
ステラくんは泣いた弟のことは気にせず、弟のおいていったおもちゃを持って遊び始めます。
弟を叩いてしまうステラくん。ステラくんはどうして投げたり叩いたりしてしまうのでしょう?
まずは問題行動を分析してみましょう
おもちゃが手元にない時に物を投げる・叩くことでおもちゃが手に入る為、ステラくんは弟を叩いてしまっているのだと分かります。
対処法
ではこの行動をどう対処していけばいいでしょうか?
物を手に入れるために行っている行動なので、欲しがる物や活動を与えない、本人にとって得をさせないことで行動を減らしていくことができます。
ただしこの場合、一時的にもっとたくさん物を投げる・もっと強く叩く行動が出てくる可能性があります。
そこで、物や活動を与えないのと同時に「物を投げる・叩く」の代わりになる行動を教えてあげる必要があります。
例えば…
「貸して」と言う
手を出してジェスチャーで示す
自分の欲しいおもちゃと別のおもちゃを交換してもらう などです。
このような代わりになる行動を身に着けるには、まずは大人のサポートが必要になります。
●叩きそうになったら、「“貸して”だよ」と言う
●手を出す動作を教える
など 代わりになる適切な行動を問題行動が出る前に教えてあげましょう。
まとめ
ステラ幼児教室でも大好きな車のおもちゃが欲しい時に大声を出し、時には先生を叩くこともあったお子さんに対して「ちょうだい」のジェスチャー(手のひらを上に向けてトントンと重ねる)を教えていき、問題行動を減らすことができたケースがあります。
問題行動がある場合、その行動をしたら子どもにとって何か良いことがあった為繰り返されていることが多くあります。
まずはその行動を分析して、原因や目的を探ってみましょう。
そして問題行動の代わりになる適切な行動を教え、その行動が身につくようサポートしてみてください。