応用行動分析(ABA)を使った発達障害のお子さんへの支援
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ABAってなに?
20世紀にアメリカで開発された自閉症や発達障害の子どもたちに向けた療育方法で、日本語では応用行動分析といいます。
人間や動物の特定の行動が増えたり減ったりするのには理由がある、という考えに基づいてその特定の行動を分析する学問が行動分析です。
行動分析を用いて、適切な行動の増加や、不適切な行動の減少を目指すものが応用行動分析です。
行動分析
ある行動は、行動を起こす前の先行刺激と、その刺激により起こった行動、そして行動の後にある後続刺激に分析できます。
そして、ある行動は、これら先行刺激や後続刺激により増減します。
行動分析を用いて、適切な行動が増える様子を見てみます。
例えば、子どもの前に積み木があります。それを高く積みました。するとお母さんに褒められました。褒められたという後続刺激は心地いい刺激なので、積み木があるとまた高く積みます。するとまた褒められて、という繰り返しで、「積み木を積む」という行動が増えるという仕組みです。
過去のコラムより↓
どうやって適切な行動を教えていくの?
新しく行動を教える時には、どんな行動を身につけてほしいのかを具体的にすることが必要です。
例えば、「ちゃんと椅子に座る」という行動。
よく言ってしまいがちですが、【ちゃんと】という言葉は具体的ではなく、人によって基準が違います。
これでは曖昧で子どもが迷ってしまいます。
「両足を床につけて座る」、「手は膝に置いて座る」、「お母さんの方に顔を向けて座る」等、誰が聞いても行動が同じになるようにしましょう。
適切な行動を習得するにはヒントが必要
目的行動を達成するためには、『できた!』につなげるためにヒントが必要です。
このヒントをプロンプトと言います。
プロンプトには種類があり、ヒントが多いものから少ないものまであります。
主に身体プロンプト(直接身体に触れて手助けをする)、モデリング(お手本を提示する)、ポインティング(指さしで教える)、言語プロンプト(声掛けする)等があります。
私たちが無意識に行っているジェスチャーや視線を送ることもプロンプトになります。
人はそれぞれ覚えるスピードが異なります。始めはヒントを多く出して徐々に少なくしていくと、無理なく覚えていくことができるでしょう。
適切な行動を導くには環境調整も必要
先述のように、行動には先行刺激と後続刺激があり、特に後続刺激が子どもにとって好きなものか嫌いなものかにより、その行動が増減します。
発達障害のお子さんに適切な行動を増やしてあげようとする場合、お子さんにとってわかりやすい目標、お子さんにとってわかりやすい前後の環境調整を行ってあげると、より適切な行動に導きやすくなるでしょう。
ステラ幼児教室では、このABAの理論を基本として取り入れています。
子どもが『できた!』と感じる瞬間をたくさん作っていけるよう、周りの大人たちが関わっていけるといいですね。