発達障害と言語聴覚療法(ST)
2018.04.16
- 発達障害の療法
言語聴覚療法(ST)の技法
言語聴覚療法(ST)で行うことは以下のような内容があります。
- コミュニケーションやことばへのサポート
脳出血や脳梗塞、交通事故など何らかの原因で脳が損傷を受けることで、聞く・話す・読む・書くの全てに障害があらわれる失語症や、発音が不明瞭になる構音障害、記憶力や注意力などが低下する高次脳機能障害などさまざまな症状があらわれます。
これらの障害は、子どもでも生じることがあります。それぞれの症状の回復を目指したプログラムの実施や、家庭や社会復帰に向けてのサポートを行います。言語室で個別に行うだけではなく、グループ訓練を実施することもあります。また、社会復帰に向けて電話応対や面接などを想定した内容も行うことがあります。 - 子どもの発達段階に応じたサポート
子どもに支援が必要になるきっかけはさまざまですが、原因がはっきりせず、年齢に期待されることばが育っていないという理由で支援が始まることもあります。
発達段階を見極めながら、認知面や情緒面、社会性や口腔機能など、ことばやコミュニケーションの発達につながる側面の発達をうながします。イスに座って行う課題だけではなく、自由遊びを用いたプログラムを設定することもあります。 - 摂食嚥下(せっしょくえんげ)障害へのサポート
脳や神経の損傷や、加齢によって人間の食べる力は低下します。また、発達がゆっくりな子どもは、食べる力についても発達に応じた関わりが必要になります。
食べる力の維持や改善、成長を目指したプログラムを実施したり、食べやすい食形態の助言などを行ったりします。 - 環境調整
ことばやコミュニケーションが生活のなかで円滑に使われるためには、家族や学校、職場などでの理解が欠かせません。また、ことばは学習にも使われていくものです。家族や学校、就労先などからの相談に応じたり、学びやすい方法について助言をしたりします。
こんな問題を抱えている人に効果がある
言語聴覚療法(ST)が対象としていることばやコミュニケーションの障害は、乳幼児から高齢者まで幅広い年代を対象としていますが、原因は脳や中枢の病気や聴覚障害・口腔器官の障害などさまざまです。
また生育環境によってことばの発達に問題が生じることもあります。
子どもでは以下のような子が対象となります。
・ことばの発達がゆっくり
・聴覚障害がある
・双方向のコミュニケーションが難しい
・吃音(きつおん)がある
・発音が不明瞭
・学習に困難がある
・食事がうまくとれない
・聴覚障害がある
・双方向のコミュニケーションが難しい
・吃音(きつおん)がある
・発音が不明瞭
・学習に困難がある
・食事がうまくとれない
ことばの発達がゆっくりな子だけではなく、人との関係をつくることが難しい子も対象となります。また、学習においても、本人に適した細やかな支援が必要な子がいます。
子どもが得意なこと、学びやすい手段を見つけ、自己肯定感や自己理解を育んでいきます。
どこで受けられる
言語聴覚療法(ST)は医療機関や高齢者施設などで実施されることが多いでしょう。また、訪問によって自宅での言語聴覚療法(ST)を受けることもできます。その他、子どもの分野では、幼児児童福祉施設や特別支援学校などの教育施設や児童発達支援施設でも実施されているところがあります。