発達障害のサイン
- 障害診断について
発達障害を早期発見することはとても重要です。
なぜならば、幼児期は人間の発達の上で身体的にも精神的にも大きく発達し、さまざまなものを吸収します。
そこで早く発見すればするほど様々な療育がたくさん受けられ、どんどん吸収することができるからです。
ここではタイプ別に発達障害が疑われるサインについて説明します。
ADHD(注意欠如多動性障害・注意欠如多動症)
最初にも記したようにADHDを含む発達障害は生まれつきの脳の障害なのでADHDの赤ちゃんはいますが、赤ちゃんのうちはADHDによって日常生活に支障をきたすというようなことはそんなにはありません。
赤ちゃんの頃から外からの刺激に対してよく動きまわったり、周囲に注意を払わないといった傾向があるのは事実ですが、その子が元気に体を動かしている様子を見てADHDだと親が判断するのはまず不可能です。
幼児期においては歩き始めは比較的早いのですが、言葉の出始めは遅い傾向にあります。
また、日常生活において、よく泣きなだめるのが困難であったり、じっとすることができない、睡眠障害(眠たくてふらふらなのに寝ようとしない)、偏食傾向が目立つなどが挙げられます。
幼稚園や保育園に入園するころがADHDの主症状が最も顕著に認められます。
ともかくじっとしていない、好奇心旺盛で興味が尽きない、破壊的な遊びを好む、指示に従わない、かんしゃくが強い、トイレなどの発達課題の達成が遅い、寝つきや寝起きがわるいなどが挙げられます。
LD(学習障害・学習症)
まずLD(学習障害・学習症)とは、全体的な知的発達の遅れはないのですが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力など特定のことが苦手であるという特徴があります。
このように学習にかかわる症状なので、言葉を話すのが遅い、言葉を覚えるのが遅い、文字を覚えない、文字が正しく書けない、他の子に比べて不器用である、よく転ぶ
といった症状が3歳くらいから出ることがあります。
しかし、症状が軽い場合などは小学校に上がるまで気づかれず、本格的に勉強が始まり聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論するといった能力が要求される1~4年生頃に、やる気はあるのだけど勉強についていけない、成績不振などにより明らかになることがあります。
ほかにもクラスメートとのトラブルが多いといったこともあります。
自閉症スペクトラム障害・自閉スペクトラム症
まず人への関心が少ないことが挙げられます。
赤ちゃんの頃から母親があやしてもあまり反応を示さなかったり、必死に子育てをしているのになついてくれない、視線を合わせようとしないなどがあります。
また、友達と遊ぶ年齢になっても、友達に関心を示さず、ひとりで遊んだり、集団のルールや相手に合わせて行動ができません。
次に言葉の遅れが目立つことが挙げられます。
2~3歳になっても両親を呼ばかったり、言葉を覚えない場合があります。
また、言葉を覚えても相手の話しをおうむ返ししたり、一方的に話す、知っていることを何度も質問するなどの傾向があり、相手や場面にあわせた会話が苦手です。
他には、感情表現が極端であることが挙げられます。
急にかんしゃくを起こしたり、唐突に泣き出すことがある一方で、全く表情を変えず静かにしていることもあるように感情の中間が抜けてしまっているように感じることがあります。
感覚が過敏であることが挙げられます。
例えば触られることを嫌ったり、サイレンなどの大きな音が嫌いでその場から逃げ出すなどがあります。
子供の五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)に違和感を感じることがあれば、自閉症スペクトラム障害の可能性があります。
発達障害とは、脳の一部に障害を持って生まれて、低年齢時にその症状が現れます。そのため本人が社会的に困難だと感じたり、生活に支障が出てしまったりする場合があります。
しかし、脳の障害のため外見からはなかなか判断することができません。
また、生まれつきの脳の障害のため、しつけの問題などで起きるという事は全くありません。
一概に発達障害といえど様々なタイプがあり、複数のタイプを持っている場合も少なくありません。
また、障害のタイプごとに特徴が重なるところがあるため判断が難しく、診察した先生や時期により診断名が異なることがあります。
発達障害はあくまでもその人の個性の一つであり、もし何か生活面で不便に感じることがあるならばそれを周りの方々とも協力しながら改善することが必要だと思います。