発達障害の診断
2017.10.01
- 障害診断について
発達障害の診断はお医者さんが下します。
また、診断方法としては親からのヒアリングであったりとか、発達検査の内容などを参考にするなどです。
ここでは、発達障害の診断が下される基準を説明します。
ADHD(注意欠如多動性障害・注意欠如多動症)
A:(1)(2)のどちらかに該当
(1)以下の不注意の症状が6つ以上、少なくとも6カ月以上続き、その程度が発達の水準に見合わない(年齢不相応の)場合。
不注意
- 勉強、仕事、その他の活動において、細かいところへの注意が払えなかったり、、不注意な間違いをする。
- 課題や遊びで注意力を持続させることができない。
- 面と向かって話しかけても話を聞いていないように見える。
- 指示に従わず、勉強や用事などのやらなくてはいけないことがやり遂げられない。(反抗的な態度をとる、指示が理解できないことを除く)
- 課題や活動を順序立てて行う事が出来ない。
- 勉強のように精神的な努力を持続させないといけないことを避けたり嫌ったり、またいやいや行ったりする。
- おもちゃや宿題、鉛筆など活動に必要なものを失くしやすい。
- 外からの刺激ですぐに気が散ってしまう。
- 日々の活動で忘れっぽい。
(2)以下の多動性-衝動性の症状が6つ以上、少なくとも6カ月以上続き、その程度が発達の水準に見合わない(年齢不相応の)場合。
多動性
- 手足をそわそわ動かしたり、椅子の上でもじもじしたりする。
- 教室など座っていないといけない場面でも席を離れてしまう。
- きちんとしなければいけないときに、過度に走り回ったり、高いところへ登ったりする。
- 静かに遊んだり、休み時間を過ごすことができない。
- じっとしていない、もしくは、まるでエンジンで動かされているように行動する。
- しゃべりすぎる。
衝動性
- 質問が終わらないうちに答え始めてしまう。
- 順番待ちが苦手である。
- 他人を妨害したり、邪魔をしたりする。
B:多動性-衝動性または不注意の症状のいくつかが7歳以前に存在し、生活をするうえで支障をきたしている。
C,以上のような症状により2つ以上の状況(学校と家庭など)で存在する。
D,知的障害(軽度を除く)や自閉症スペクトラム障害ではなく以上のような症状がある。
LD(学習障害・学習症)
学習障害の診断には4つのカテゴリーがあります。
- 読字障害:単語認識力の欠陥、物分かりが悪い、読み方がゆっくりで不確かである。通常、7歳(小学2年生)までには診断されますが、高い知能を持つ子どもでは9歳(小学4年生)まで明らかにならないこともある。
- 算数障害:数字を習う、思い出す、算数のルールを思い出して使う事が苦手である。また計算が遅く、不正確である。
- 書字表出障害:文法や句読点を頻繁に間違える。綴りや字を書くのが苦手である。文章の構成が苦手である。
- 特定不能の学習障害:上記の3種類の基準も満たさない場合、あるいは3つの領域すべてに障害がみられる為にどれかに区別できないため診断される。
日本では標準化された診断基準や、読字障害専用の検査キットがないのが現状です。
親などからのヒアリングを参考にしながら、wiscやK-ABCなどを用いて同程度の年齢や教育水準、測定された知能水準よりも大幅に下回っている場合に学習障害の診断が下されます。
また、その障害により学校の成績や日常生活に支障が出ている場合も各学習障害と診断されます。
自閉症スペクトラム障害・自閉スペクトラム症
A:以下の3つの症状をすべて満たす場合
対人的コミュニケーションと相互作用の障害
- 他の人とコミュニケーションを取る上で心の動きがあまりない。(怒られても何も思わないなど)
- 他の人とコミュニケーションを取る際、目が合わなかったり、無表情であったりする。
- ごっこ遊びをしなかったり、友達と一緒に遊ばない。また、友達・仲間への関心が薄い。
B:以下の4つの症状のうち2つ以上満たす場合
限定された反復する行動や興味
- 無意味な手足の動きをずっと繰り返す。
- ルーティーンにこだわりいつもと違う事が起きるとパニックになってしまう。
- 興味が限定的である。(駅の名前をすべて言えるなど)
- 周囲の音をすべて拾ってしまったり、味覚がやたら鋭いなど感覚が過敏である。