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1歳半健診では何が分かる?発達障害を指摘されたり、様子見ましょうと言われた時にすべきこと

2025.03.06
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1歳6ヶ月健診(または一歳半健診)は、子どもの成長や発達を確認するための非常に重要な機会であり、この時期に行われる健診は、身体的な健康状態だけでなく、発達の様子も含めて多角的に評価されます。この中では、言葉の遅れや社会性の発達状況にも注意が払われるほか、場合によっては発達障害の可能性が指摘されることもあります。そのような場合、保護者が取るべき適切な対応や次のステップを理解しておくことが重要です。

例えば、健診で「様子を見ましょう」と言われたとしても、その後の観察や必要に応じた専門機関への相談など、自主的な行動を起こすきっかけになります。1歳半健診を通じて得られる情報は、その後の育児や子どものサポートに役立つ重要な指針となります。

1歳半健診の目的と意義

1歳半健診では、

1.身体の健康状態や発達の進行状況を確認
2.早期療育につなげること
3.アドバイスなどを行い、相談できる場の提供をすること

を目的としています。

また、1歳半健診は保護者にとっても、子どもの成長や発達に関する疑問や不安を相談する場としての役割を果たし、家族全体の安心感や育児の方向性を再確認するきっかけにもなります。このように、1歳半健診は子どもの健康と発達を支える大切な役割を果たしています。

子どもの健康状態を知る

1歳半健診では、身長や体重、栄養状態などを測定し、身体的な健康状態を把握することができます。この健診は、子どもの成長や発達における重要な節目であり、保護者にとってもお子さんの健康を総合的に確認する機会となります。この段階で気になる点があれば、医師や保健師との相談を通じて適切なアドバイスを受けることが可能です。

例えば、食事が偏っている場合には、栄養についての具体的な指導が行われ、バランスの良い食生活を実現する手助けが受けられます。また、身体発達や成長の進み具合が他の子と比べて遅れている場合には、早期にフォローアップのための対策が講じることで、健康的な成長を促すことができます。1歳半健診を通じて、子どもの健康状態をより深く理解し、適切なサポートを行うきっかけをつかむことができます。

早期発見の重要性

発達の段階において、特に重要なことは早期発見です。1歳半健診は、子どもの発達の様子を把握する重要な機会であり、この時期には心身の発達に関する差が顕著に表れることもあります。言葉や運動、社会性の面で遅れが見られる場合、健診で得られた情報をもとに適切な診断を受け、早期に専門的な支援を開始することが重要です。特に発達障害が疑われる場合は、早期の評価と治療により、子どもの潜在能力を最大限に引き出す手助けとなります。このような取り組みは子どもの未来の可能性を広げる重要なステップとなります。

相談できる場の提供

1歳半健診では、保護者が子どもの成長や健康に対して不安を感じた際に、相談できる場を提供しています。この健診には、専門の医師や保健師が携わっており、健診の結果に基づく的確な情報提供が行われます。また、発達の遅れや子どもの行動に関する疑問がある場合は、遠慮せず相談することが大切です。1歳半健診は、ただの健康チェックにとどまらず、保護者がどのような子育てサポートを受けられるのかを知る場となります。また、相談時には自身の体験や悩みを具体的に伝えることで、子どもの状況に合わせた実用的なアドバイスを得ることも可能です。1歳半健診を積極的に活用することで、子どもの健やかな成長をより確かなものにしていきましょう。

1歳半くらいの子どもの発達の特徴

1歳半頃の子どもは、心身の発達が著しい時期で、特に基本的な運動能力やコミュニケーション能力に加え、社会的な行動が顕著に現れ、子ども一人ひとりの特性が明らかになりやすい段階です。また、発達のペースには個人差があるため、全ての子どもが同じペースで成長するわけではありませんが、この時期に見られる全体的な特徴や傾向について理解を深めることは大切です。それぞれの特徴に気を配ることで、子どもが健やかに成長するサポートに繋がります。

指さしの発達段階

指さしは、子どもが他者とコミュニケーションを取るための重要な行動の一つであり、その特徴は子どもの発達段階に応じて変化します。1歳半頃になると、大人からの質問に対して、物や方向などを指さしで答えるようになります。これを、「応答の指さし」と言います。絵本を見ながら、「キリンさんはどれ?」という母親の質問に対して、子どもがキリンを指さすような場合です。

指さしを通じて、子どもは自分の興味や願望を周囲に伝えることができ、絵本やお気に入りのおもちゃなどへの関心が高まると、より豊かな発達へとつながっていきます。指さしを観察することで、子どもの興味の方向や好みを理解する手がかりにもなり、子育てのよいヒントを得ることができます。

ことばの発達の特徴

この時期において、言葉の発達は子どもの成長における特徴の一つとして大きな変化が見られます。例えば、1歳半の子どもは単語を数個言えるようになり、日常生活の中で簡単な言葉を使って何かを示すことが増えてきます。言葉の発達は個人差があるものの、「ママ」や「ワンワン」といった意味のある言葉が出てくるのが一般的です。また、環境からの刺激に反応して音をまねたり、動物や物の名前を覚える行動が見られることも特徴です。こうした時期には、親をはじめとした周囲の大人が積極的に子どもと会話を重ねることで、その後の言葉の成長を効果的に促進することが期待できます。

社会性の発達

1歳半頃の子どもは、他の子どもにも関心を持ち始め、物のやり取りをしたり、取り合ったりするなどの関わりが生まれてきます。また、何かに夢中になると周りを全てシャットダウンしたかのような状態になることもあります。大人に対しては、徐々に保育者の指示も理解するようになってきます。

行動の特徴

行動面においては、この時期特有の様々な特徴が見受けられます。例えば、自分の手足を使った運動能力が急速に発達し、歩いたり走ったりすることがこれまで以上に容易になります。1歳半から2歳にかけて、玩具の車に乗り、足で蹴って前へ進んだり、体操や追いかけっこなど全身を使った遊びもできるようになっていきます。指先も少しずつ器用になり、積木を2,3個詰んだり、ボタンはめ、クレヨンを使うなどの指先を使った遊びもできるようになっていきます。

1歳半健診のチェック項目

1歳半健診では、子どもの成長を総合的に評価するために、いくつかの重要なチェック項目があります。この1歳半健診では、通常、身体の健康状態、言葉の発達、社会的な行動に関する観察が行われます。特にこの時期は、心身の発達に個人差が大きく見られるため、一人ひとりの状況に応じた丁寧な健診が求められます。さらに、保護者が日常生活の中で気になる点を整理し、健診時に医師や保健師と積極的に相談することで、保育や発達支援に役立てることができます。1歳半健診は、適切なタイミングで子どもの健康と成長を見直す重要な機会となります。

身体の発達のチェック項目

身長、体重、指先の巧緻性(小さな物をつまめるか等)、筋骨の発達、皮膚の所見(アトピー性皮膚炎、小児乾燥型湿疹、皮膚カンジダ症、皮膚化膿症、じんま疹など)、聴診(心雑音など)、視覚・聴覚スクリーニング(異常がないかの確認)、歯(口腔)の確認を主に行います。

知的発達のチェック項目

知的発達に関しては、言葉の獲得や理解力が重要なチェック項目となります。「ママ」「ブーブー」など意味のあることを言うか、「わんわん(にゃんにゃん)はどれ?」などと尋ねると指さしして答えられるかなどをチェックします。また、「おもちゃもってきて」「新聞もってきて」などの簡単なことばの指示に応えられるかもチェックします。

社会性の発達のチェック項目

社会性の評価は、問診票以外に医師による直接観察も含めてチェックが行われます。問診としては、「テレビや人のまねをしますか?」「よその家やデパートなどの慣れない場所では、慣れるまで親の側にいますか?」「誰がいても、まるで人がいないかのように無視して動き回ることがないですか?」などのチェック項目があります。

発達障害が疑われる場合の対応

発達障害が疑われる場面では、早期に適切な対応を考えることが重要です。子どもの発達について気になる点がある場合、まずは専門家に相談し、診断を受けることで現状を正確に把握できます。発達障害は個々の特性によって異なるため、診断結果を基にそれぞれに適したサポートを受けることが必要です。専門家や信頼できる支援機関と連携しながら、保護者が無理をせずに情報を活用することで、子どもの成長を支える安心できる環境を整える助けとなるでしょう。

相談先の選び方

相談先を選ぶ際には、信頼性と専門性が非常に重要です。初めにかかりつけの小児科医や保健師へ相談することで、現在の状況を適切に把握してもらい、地域の児童相談所や発達支援センター、療育機関といった専門的な施設など、必要に応じて適切な診断を受けられる専門の機関を紹介してもらうことが多いです。これらの機関では、発達の専門家が子どもの状況を評価し、必要に応じた診断や具体的なアドバイス、適切な治療方針を提案してくれます。また、他の保護者や知人などからの口コミ情報やその施設の実績を参考にすると、信頼性の高い相談先を見つけやすくなります。

経過観察の進め方

経過観察は、発達の状況を定期的に評価するです。医師や保育士からの指導に基づいて、家庭での様子を見守り、その変化や気になる行動を記録しながら、観察を行います。発達の凸凹が見られる場合は、それに合わせた対応を行うことが推奨されており、丁寧な観察を重ねることが大切です。

家庭でできるサポート方法

日常生活の中で、遊びを通じた学びの時間を作り出すことも効果的です。例えば、絵本を一緒に読んだり、模倣遊びを通じて言葉や社会性の成長を促します。また、子どもが何を好んでいるかを観察し、それを利用した活動を提案することで、子ども自身の興味を引き出しやすくなります。この時、「子どもを私が成長させなきゃ」というように気負うのではなく、「子どもと一緒に遊びを楽しもう」という気持ちで関わるとよいです。一つ一つのサポートを積み重ねていくことが、長期的には大きな成果に結びつくでしょう。

1歳半健診後に家庭でできる工夫

健診後は、子どもの発達をチェックし続けるための工夫が求められます。家庭における観察は、子どもの成長をしっかりと理解する手助けとなるため、日常生活の中で注意深く様子を見ることが重要です。特に、何気ない日常の中に子どもがどのように反応するかを観察することで、発達の進行状況を把握できます。この観察によって、子どもの発達に関する客観的な情報を蓄積することができ、必要に応じて専門的な診断を受ける際にも役立ちます。また、何か気になる点があれば、すぐに専門家に相談することもできます。家庭での小さな変化を見逃さないことが、適切なサポートに繋がり、長期的に子どもの健康や成長を守る重要なステップとなります。

日常生活での観察

日常生活での観察は、子どもの発達を理解するためにとても大切です。普段の行動や言動について注意を払い、言葉の発達や社会性の表れに目を向けることが大事です。例えば、遊びの中でのやり取りや、他の子どもと一緒に過ごすときの様子を記録することが役立ちます。また、食事の場面や睡眠のリズムにおいても興味深い变化が見られることがあります。これらの観察を通じて、子どもの日常的な行動の中にどのような特性があるのかを知ることができます。

親子のコミュニケーションの工夫

親子のコミュニケーションは、子どもの成長において非常に重要な役割を果たします。言葉を多く使い、意図的に会話を増やすことが効果的です。絵本を一緒に読む時間(1日15分程度でOK)を設けることや、日常的に話しかけることで、子どもは自己表現の方法を学びます。また、身振りや表情を交えてコミュニケーションを図ることで、子どもにとって理解しやすい環境を作ることができます。こうした工夫を通じて、親子の絆を深めつつ、子どもの発達をサポートしていきましょう。

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