5歳児健診を実施する市町村が増加中
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こんにちは。名古屋市・豊田市の発達障害専門の個別指導塾・児童発達支援のステラ幼児教室・個別支援塾です。
愛知ではまだ実施されていませんが、5歳児健診を実施している市町村が増えています。
5歳児健診
5歳児健診
あまり聞き慣れない健診だなと思われる方もいらっしゃると思います。
健診と言えば「1歳半健診」「3歳児健診」「就学時健診」がポピュラーで、「5歳児健診」は認知度の高い健診ではなく、まだ実施していない自治体も多いのが現状です。
それが北海道では5歳児健診を実施している市町村が拡大しつつあるそうです。
しかし札幌市では開始より1年が経ち、現在受診率は4.3%
これを聞くと「受診率少ないな~」って思いませんか?
これはきっと、
「もうすぐ就学時健診あるし」
「園から何も言われてないから大丈夫」
なんて考えている親御さんたちが多いからだと思います。
でも何故5歳児健診を実施するのでしょうか?
それは3歳児健診から就学時健診までは「空白の期間」に発達障害の可能性に気付き、必要な支援を受けることで就学後のスムーズな学校生活に繋げるためです。
札幌市では5歳を迎える子のいる全世帯に発達の偏りをチェックするリストが送られます。さらに、希望者は医師の診察を受けることができます。
診察では保護者に子どもが乳児の時の様子を尋ね、子供にも「好きな食べ物」「嫌いな食べ物」を聞いたり、じゃんけんの勝敗が判断できるかを確認したりするそうです。
市によると開始後1年間の受診者653人のうち8割は「異常なし」でしたが、一部の子どもが再度健診を受ける「経過観察」、児童精神科など専門病院を紹介する「他機関紹介」という判断でした。
■札幌市が配布する5歳児セルフチェック表(抜粋)
【発達に関する項目】 |
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・片足でケンケンできる |
・集団で遊ぶことができる |
・ジャンケンの勝敗がわかる |
・自分の名前が読める |
・順番を待つことができる |
【様子に関する項目】 |
・言葉の指示が伝わりにくい |
・落ち着きがない |
・好きなことしかしない |
・不器用である |
・人の気持ちがわかりにくい |
早期発見・早期療育を!
ところで保育園や幼稚園からは発達障害の疑いがあっても、保護者に直接指摘できないとの声も多いそうです。園が直接指摘しづらい状況において、親の気付きがとても重要になってきます。
しかし「うちの子」が基準になっていれば・・・気付かないという事も考えられます。
また「障害」という言葉を重く感じ、子どもに疑問を感じても「まだ小さいから」と考えてしまう場合も少なくないのではないでしょうか。
他県での取り組み
他に鳥取県でも全市町村で5歳児健診や発達相談を実施しています。(全国に先駆けて平成8年から実施しています)
いち自治体が単独で十分に支援できない場合、複数の自治体が合同で療育教室を開くなど医療機関や福祉施設、学校などが一体となって支援するという取り組みを行っています。
また鳥取県では、平成16年の時点で鳥取県内24町村の1069名のうち1015名(受診率がおよそ95%)が受診しました。
そのうちADHD(疑いを含む)が3.6%、自閉症スペクトラムが1.9%、LD(疑いを含む)が0.1%という結果になりました。
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さらに、発達障害(疑いを含む)と診断された児童のうち、半数以上は3歳児健診では何の問題も指摘されていませんでした。
これより、5歳児健診は軽度発達障害の発見に有用であること、一方、3歳児健診で軽度発達障害児の問題点に気づくことには限界があり、しかも疾患に特異的な問題点を指摘することが困難であることが示されています。
子どもが生活しやすくするために!
早期発見・早期療育するということはとても大切なことです。早いうちにどんな支援が必要かがわかれば学校での困り事も減り、楽しく学校へ通えるわけです。
5歳児健診はその近道であると私は思います。
ちなみに愛知県では5歳児健診は行っていないのですが、この近くだと岐阜市も5歳児健診をやっています。
取り組みが早い自治体を見習って早く5歳児健診が全国的に普及するとよいですね。
[参考]
・朝日新聞 DIGITAL
http://www.asahi.com/articles/CMTW1601250100010.html
・厚生労働省ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken07/h7_03a.html