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自閉症スペクトラムの顔つきとは?特徴と研究データから読み解く

2025.02.19
  • 発達障害
  • ASD(自閉症スペクトラム)

自閉症スペクトラムの顔つきに特徴はあるのか?

自閉症スペクトラム症(ASD)の人々には、「特定の顔つき」があるのか気になる人も多いでしょう。しかし、最近の研究では、自閉症スペクトラムの人が特定の顔の形をしているという科学的な証拠はありません。
ただし、表情の使い方や、他人の表情を考える能力には違いがあることが明らかになっています。 特に、「怒り顔」や「柔和な顔」を認識するスピードが、定型発達の子どもと異なることが研究で示されています。
この記事では、京都大学の研究結果をもとに、自閉症スペクトラムの人の表情の特徴について詳しく解説していきます。

自閉症スペクトラムと表情認識の研究データ

自閉症スペクトラムの人は、表情をどのように認識するのでしょうか?

この疑問を考えるため、京都大学の研究チームが実験を行いました。

(引用:京都大学(https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2014-12-19-0))

この研究では、自閉症児と定型発達児に対して、異なる表情を発見するテストが実施されました。

実験方法

●対象:自閉症スペクトラムの児童 20 名と定型発達の児童
●方法:
 1.コンピュータ画面に複数の顔の画像を同時に表示
 2.ほとんどの顔は無表情で、1つだけ異なる表情(怒り顔または柔和な顔)が含まれる
 3.その違う表情を見つけてタッチする
●測定項目:異なる表情を発見するまでの時間


図1:実験に用いた刺激の例(左が怒り顔、右が柔和な顔が1人含まれている)

この実験では、怒り顔と柔和な顔の認識速度がどのように異なるのかを調べました。

実験結果

監査グループ 柔和な顔の識別時間 怒り顔の識別時間
定型発達児 遅い 速い
自閉症児 変化なし 変化なし

この結果から、定型発達児は怒りに直面して見つけられるのに対して、自閉症スペクトラムの子どもは、怒り顔でも柔和な顔でも識別スピードにほとんど差がないことがわかりました。

怒り顔に対する反応の違い

私たちは日常生活で、無意識のうちに他者の表情を読んでいます。

なぜ定型発達児は怒り顔がすぐに見つかるのか?

定型発達の人々は、怒りの表情を見つけると、瞬時に察知し、適切な対応をとることができます。
これは、人間が生存するために進化の過程で獲得した能力です。
しかし、自閉症スペクトラムの子どもは、怒りに直面した他の表情と同じように認識し、特別な意味を感じるのが難しいと考えられます。
これが、社会的なコミュニケーションの難しさにつながっている可能性があります。

怒り顔の認識が遅いとかどんな影響があるのか?

怒り顔の識別が遅い、または苦手であると、以下のような影響が考えられます。
●相手が怒っていることに気づかず、当然な対応をしてしまう
●相手の感情の変化を観察しづらく、人間関係で亀裂を生む
●危険を察知する能力が低くなり、トラブルに巻き込まれやすくなる

このように、表情を先に考えることができないと、社会生活の中でさまざまな困難を感じます。

自閉症スペクトラムの人の表情の使い方

自閉症スペクトラムの人は、表情の認識だけでなく、表情の使い方にも違いが見られます。具体的な例を挙げて説明します。

① 表情のバリエーションが少ない

自閉症スペクトラムの人は、感情を顔に表すことが苦手な場合があります。
そのため、以下のような特徴が見られることがあります。
●喜んでいるのに無表情
●怒っているのに穏やかな顔
●想像しているのに表情が変わらない
これが亀裂を生む原因となるため、「何を考えているかわからない」と思われる可能性があります。

② アイコンタクトが苦手

目が合うことが苦手な人が多く、会話中に視線の先を迷うことがあります。
これが「冷たい」「そっけない」と煽られることもあります。

③ 笑顔や驚きの表情を意図的に作ることが難しい

感情表現が得意でないため、「笑顔を作る」ことができず、写真撮影の際にぎこちない笑顔になることもあります。

「自閉症スペクトラムの顔つき」に関する特徴はある?

「自閉症スペクトラムの人には特定の顔つきがある」と思われることがありますが、これは事実ではありません。
●顔の骨格や形状が自閉症と関連している科学の証拠はない
●表情の使い方や認識の仕方に違いがあるだけ
●社会的なコミュニケーションの違いから「特定の顔つき」と喜ばれることがある

実際には、顔の形ではなく、表情や論点、表現の仕方が違うことが、自閉スペクトラムの人の特徴と考えてみましょう。

まとめ:自閉症スペクトラムの顔つきは「表情の使い方」に特徴がある

この記事では、自閉症スペクトラムの人の表情の使い方や認識の違いについて解説しました。
●自閉症スペクトラムの人に特定の顔つきはない
●表情の使い方や認識の方法に違いがある
●怒り顔や喜びを見せるスピードが違う
●アイコンタクトや感情表現が苦手な場合が多い

このような違いを理解することで、自閉症スペクトラムの人とのコミュニケーションが成立し、より良い関係を築くことができるでしょう。

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