発達障害の子どもが中学受験するメリット・デメリットを詳しく解説
- 発達障害
- ASD(自閉症スペクトラム)
- ADHD(注意欠如多動性障害)
- LD(学習障害)
- 進学・受験
生まれつき発達障害があったとしても、中学受験に挑むことは十分可能です。
国内にはいろんな特色を持った学校があるため、子どもの特性や個性に合った学校を見つけ、中学受験する子どもも少なくはありません。
しかし、発達障害の子どもを持つ親としては「自分の子どもに中学受験させるべきか迷っている」という悩みもあるでしょう。
当記事では、発達障害の詳細から中学受験するメリット・デメリット、中学受験するときのポイントまで詳しく解説します。
ぜひ参考にご覧ください。
目次
- 発達障害について
- 発達障害の子どもが中学受験するメリット
- 発達障害の子どもが中学受験するデメリット
- 発達障害の子どもが中学受験するときのポイント
- まとめ
発達障害について
発達障害とは、生まれつき脳の発達に特性があり、コミュニケーションや学習、行動のコントロールに困難が生じる障害のことです。
発達障害の特性は人によって異なり、軽度から重度までさまざまです。
適切な支援や環境調整を行うことで、個々の能力を活かして生活することが可能です。
それでは発達障害の種類について詳しく説明します。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)
ADHD(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder、注意欠如・多動症) とは、 不注意(集中力が続かない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動する) を特徴とする神経発達障害の一つです。
ADHDは 子どもだけでなく、大人にも見られることがあり、学校や職場、日常生活に影響を及ぼすことがあります。
しかし、適切なサポートや環境調整を行うことで、強みを活かしながら生活することが可能です。
LD(学習障害)
LD(Learning Disabilities:学習障害) とは、 知的発達には問題がないにもかかわらず、「読む」「書く」「計算する」などの特定の学習能力に困難が生じる発達障害です。
LDの人は、全体的な知能は平均以上の場合も多いのに、特定の学習分野だけ極端に苦手になるのが特徴です。
これは脳の情報処理の違いによるもので、単なる「努力不足」や「怠け」ではありません。
ASD(自閉スペクトラム症)
ASD(Autism Spectrum Disorder:自閉スペクトラム症) とは、対人関係の難しさ、強いこだわり、感覚の違い などを特徴とする発達障害の一種です。
「スペクトラム(連続体)」という言葉が示すように、症状の程度や特性は人によって異なり、軽度から重度までさまざまです。
発達障害の子どもが中学受験するメリット
発達障害の子どもが中学受験することで、以下のようなメリットがあります。
●障害特性に合った環境を選べる
●新しい人間関係を形成できる
●高校受験をしなくてもいい
それでは詳しく説明します。
障害特性に合った環境を選べる
発達障害の子どもに中学受験させることで、障害特性に合った環境を選べるようになります。
学校によっては発達障害の子どもも受け入れている学校もあり、障害特性に合わせた指導を受けられます。
私立では学校設備の強化に力を入れている学校も多く、パソコンやタブレット端末などを活用したICT教育に力を入れています。
そのため障害特性に合った環境を選べる点は、中学受験するメリットといえるでしょう。
新しい人間関係を形成できる
中学受験をすることで、小学校の人間関係をリセットすることができます。
例えば、小学校での人間関係が上手くいかなかったときや、いじめなど嫌な経験をしたとき、小学校になじめなかったときなど、校区の中学校に進学せず、新しい環境に変えることも方法の一つです。
中学受験をすれば新しい環境で再スタートできるようになり、新しい人間関係を作り、楽しく過ごせるようになります。
新しい環境でスタートしたい子どもにとっては、メリットとなります。
高校受験をしなくてもいい
中高一貫校に入学した場合、高校受験をしなくても良くなります。
中高一貫校とは、中学校から高校まで一貫して上がることのできる学校です。
「エスカレーター式」とも呼ばれており、高校受験をしなくても進学できます。
発達障害の子どもにとって高校受験はハードルが高くなるため、そのまま高校まで進学できる点は良いメリットです。
発達障害の子どもが中学受験するデメリット
発達障害の子どもが中学受験することで、以下のようなデメリットもあります。
●受験勉強に負担がかかりやすい
●学費がかかる
●留年の可能性もある
良い点と悪い点を理解しながら、中学受験に挑むべきか判断してください
受験勉強に負担がかかりやすい
中学受験には必ず勉強が必要になるため、子どもに負担がかかりやすいです。
発達障害の子どもの中には座学が得意ではないこともあり、読み書きが苦手であれば中学受験がストレスになります。
発達障害の特性から勉強が進まないこともあるので、親が協力しながら進める必要はあるでしょう。
学費がかかる
中学受験では受験料がかかるだけでなく、入学後には学校教育費や学校給食費、学校外活動費などもかかります。
公立に比べて私立は学費が高くなる傾向にあり、中高一貫校に入学する場合は支払う金額も高くなります。
そのため学費がかかる点は、中学受験のデメリットといえます。
留年の可能性がある
公立に比べて独自の方針を採ることの多い私立では、留年自体はほとんど見られないようになってきたものの、全く可能性がないわけではありません。また、地域の学校をすすめられることもまれにあるようです。
発達障害の子どもが中学受験するときのポイント
発達障害の子どもが中学受験するときは、以下のようなことが注意するポイントです。
●子どもの意思を尊重できているか
●入学後の配慮を受けられるか
●学校の設備が適切かどうか
それでは詳しく解説します。
子どもの意思を尊重できているか
発達障害の子どもに中学受験をさせる場合、意思をしっかりと尊重できているかは重要なポイントです。
親が無理やり中学受験をさせたとしても、求めるような結果を得ることはできません。
もし子どもが中学受験をしたくないなら、そのまま校区の中学校も検討しましょう。
親の都合で中学受験をさせるのではなく、子どもの意思を優先して尊重するようにしましょう。
入学後の配慮を受けられるか
中学受験では、入学後の配慮を受けられるかは大切なポイントです。
学校生活や学習に関する合理的な配慮がされていれば、発達障害がある子どもも安心して過ごせるようになります。
進学後にどのような配慮を受けられるか知りたいときは、志望校に一度問い合わせてみましょう。
学校の設備が子どもに合っているかどうか
学校の設備が子どもに合っているかどうかも知っておくべきポイントです。
例えばASDの子どもの場合、一人で学習できる自習室や図書室などの環境が必要です。
学校によって設備内容は異なるため、受験前にチェックしておくようにしましょう。
まとめ
今回は、発達障害の詳細から中学受験するメリット・デメリット、中学受験するときのポイントまで詳しく解説しました。
発達障害を持った子どもも、中学受験をすることは十分可能です。
障害特性に合った環境を選ぶことができること、高校は受験なく進学することができること、また、小学校とは違う新しい人間関係を作ることができることがメリットです。
ただし、受験勉強に負担がかかりやすく、公立に比べて学費がかかる点、留年の可能性もある点については理解しておく必要があります。
ぜひ当記事で紹介した内容を参考にしながら、子どもの中学受験について検討してください。
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