大学入試センター、発達障害への配慮
- 発達障害
- ASD(自閉症スペクトラム)
- ADHD(注意欠如多動性障害)
- LD(学習障害)
- 進学・受験
私の教え子の一人に高校3年生の生徒さんがいます。
高校3年生という事で現在はセンター試験の勉強を一生懸命しています。
今年からセンター試験の内容が変わるという事でセンター試験の要項に目を通していたところ、センター試験に
発達障害に関する配慮
という項目を見つけました。
2010年よりセンター試験では発達障害の方に対して配慮した試験になったようです。
これより具体的な内容を述べようと思います。
対象
自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害のため配慮を必要とする者
内容
- 1.試験時間の延長(1.3倍)
- 2.チェック回答
- 3.拡大文字問題冊子の配布(一般問題冊子と併用)
- 4.注意事項等の文章による伝達
- 5.別室の設定
- 6.試験入口までの付添者の同伴
独立行政法人 大学入試センター ホームページより引用
(http://www.dnc.ac.jp/)
これらにはきちんとした意図があると思います。
1番の試験時間の延長について
発達障害を持った方の中には処理速度が他の方よりもゆっくりしている場合があるので、そのための配慮だと考えられます。
2番のチェック回答について
通常、センター試験の解答用紙といえば以下のようなマークシートが用いられ、丸を塗りつぶし解答します。
(αποριαのドキュメント http://aporia.zouri.jp/index.html より引用)
しかし、チェック回答とは以下のように塗りつぶすのではなくチェックを付けて解答をするというものです。
(独立行政法人 大学入試センター http://www.dnc.ac.jp/ より引用)
発達障害を持った方の中には一つの物事に極端に集中してしまう事があります。
つまり、問題を解くのではなくマークすることに気が散ってしまわないようにするための配慮だと考えられます。
3番の拡大文字問題冊子の配布について
視力があまり良くないために勉強あるいは試験に影響が出てしまうのを防ぐためだと考えられます。
4番の注意事項等の文章による伝達について
発達障害を持った方の中にはワーキングメモリが他の方に比べて低いことがあります。
そのため、耳から入ってきた情報を留めておくことができず忘れてしまい、試験に影響が出るのを防ぐためだと考えられます。
5番の別室の設定について
発達障害を持った方の中には感覚過敏の方もいます。他の受験生の解答している音や、ちょっとした音が気になってしまい試験に集中できないことがあるのでそれを防ぐための配慮だとか考えられます。
6番の試験入口までの付添者の同伴について
発達障害を持った方(特に自閉傾向のある方)の中には新しい環境が非常にストレスになってしまう事があります。それを防ぐための配慮だと考えられます。
このほかにも、センター試験の受験会場を下見できることが許可されているので、ぜひ下見に行くとよいと思います。
このように発達障害の方への配慮から、発達障害への社会的な理解度が高まってきたのと同時に、ある一定のことに対しての才能が認められている証なのではないのでしょうか。
また、このような措置がセンター試験だけでなく他の試験、及び学校での試験にも取り入れられたらよいと思います。