DSM-5、前版からの変更点とは
- 発達障害
- ASD(自閉症スペクトラム)
- ADHD(注意欠如多動性障害)
- LD(学習障害)
- 発達検査・心理検査等
時間の流れは速いもので、新年明けてからもう1カ月が経とうとしておりびっくりしております。
こんにちは。名古屋市・豊田市の発達障害専門の個別指導塾・児童発達支援のステラ幼児教室・個別支援塾です。
新年と言えばお年玉ですよね。私は普段はお年玉をあげる側の立場の人間なのですが、遅ればせながら今年はステラからお年玉がありました!
それがこちらです!!
前々から欲しいなあ、と思っていた本がついにステラに納入されることになりました。
DSM-5?なんだそれ??
という方も少なくないと思いますので、今回はDSM-5についてお話をしていきます。
長々と文章読むの嫌い!という方は下の黄色のボックスの中と、画像だけでも目を通していただけたら内容が概ね分かると思います。
・DSM-5とは?
→ 発達障害を含む精神病の診断基準を記した本のことです。
・なぜいまさら?
→ 数年前に19年ぶりに改定されたからです。
・何が変わったのか?
→①アスペルガー・自閉症・広汎性発達障害が”自閉症スペクトラム障害”に統一された。
②一人のお子さんに対してADHDと自閉症スペクトラム、両方の診断名をつけることが可能になった。
以上が概要となります。(分かりやすく説明するために少し語弊があるところがあります)
さて、ここからは少し丁寧に説明していきます。
【 DSM-5とは… 】
アメリカ精神医学会が作成している精神疾患の診断マニュアルです。(英語名:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)
初版は1952年に発行され、過去に4回の改訂されており、最新版であるDSM-5は2013年に改訂されました。(日本語版は2014年に改訂)
また精神疾患の診断マニュアルには他にもWHOが定めるICD‐10というのもあります。(国際疾病分類、International Classification of Diseases)
日本では医者が精神疾患の診断名を付ける場合、DSMもしくはICDのどちらかを基準に使います。今回のDSMの改訂に合わせて、ICDも改訂されるのではないかと言われています。[pc-mieru][/pc-mieru][sp-mieru][/sp-mieru]
マニュアルには各疾患の特徴や診断基準(その特徴にいくつ当てはまるか?その状態がどれくらいの期間続いているのか?など)が細かく記されているため、誰でも疾患の見当をつけることができます。
もちろん正式な診断名を付けることができるのは医者のみですが。
お子さんの特徴を把握するため、またその特徴に合わせて指導を行うため、ステラでもDSM-5は活用されています。
【 今回の改訂での変更点 】
①自閉症スペクトラムの新設:今回のDSM-5の改訂では「広汎性発達障害」というカテゴリが廃止されました。同時にサブカテゴリのアスペルガー障害、自閉性障害、レット障害、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害も廃止され、「自閉症スペクトラム障害」という診断カテゴリに統一されました。
診断時期の違いにより、お子さんの診断名は広汎性発達障害・アスペルガー障害・自閉症スペクトラムと混在しているのが現状です。
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②2つの診断名をつけることが可能に…今まではADHDと自閉症スペクトラム(広汎性発達障害)の両方の特徴を持っていても、どちらか一方の診断名しか付けられませんでした。一方、改訂後は両方の診断名を付けることが可能になりました。
DSMの改定後は、ステラの面談でも診断名が2つ以上ついているケースを耳にするようになりました。
【 ステラ個別支援塾での活用点 】
併存障害の発見・・・発達障害は気分障害(大うつ病性障害、双極性障害等)や不安障害(パニック障害、社交恐怖、強迫性障害、外傷後ストレス障害(PTSD)等)やパーソナリティ障害や統合失調症との関連が強く、発達障害者はこれらの疾患を発症する可能性があります。
特に自閉症スペクトラムはそうでない人達と比べると高い確率で統合失調症を発症するという研究もあり、他の症状が出ていないか、子ども達の様子をよく観察する必要があります。この際、ステラの教師はDSM-5とその子の症状を照らし合わせ、併存障害の早期発見を心がけています。
【参考】
・精神科治療学 Vol.29増刊号 2014年 10月〈特集〉発達障害ベストプラクティス ‐子どもから大人まで