エコラリアとは?オウム返しとの違い・対処方法をわかりやすく解説
- 発達障害
- ASD(自閉症スペクトラム)
- 支援方法・家庭での過ごし方
自閉症スペクトラム(ASD)などの発達障害がある子どもには、エコラリアという症状が現れます。
成長とともに症状はなくなるケースもありますが、保護者の方は気になってしまうかもしれません。
また、エコラリアがどういった症状なのかわからず、どのように対応すればいいのかわからない方もいるでしょう。
当記事では、エコラリアの詳細からオウム返しとの違い、対処方法までわかりやすく解説します。
ぜひ参考にご覧ください。
目次
- エコラリアとは
- エコラリアによる影響
- 自閉症スペクトラム(ASD)のエコラリアの対処方法
- まとめ
エコラリアとは
エコラリアとは、他人の言葉をそのまま繰り返す話し方のことです。
発達が未熟な子どもや自閉スペクトラム症(ASD)などの発達障害のある人に多く見られる現象であり、相手の質問をそのまま繰り返します。
言葉を同じトーンやイントネーションで繰り返す点が特徴となっており、内容を理解せずに話します。
例えば「お出かけする?」と言うと、少し時間を置いてから同じトーンとイントネーションで「お出かけする?」と繰り返します。
エコラリアは 言葉の発達の一過程 であり、成長とともに減ることが多いですが一部の人には継続して見られます。
エコラリアとオウム返しの違い
エコラリアと類似するものとして、オウム返しがあります。
オウム返しもエコラリアと同じく相手の言葉を繰り返しますが、言葉を学習するための行動である点に違いがあります。
エコラリアはコミュニケーションが苦手な子どもの自己刺激の行為となっており、同じ言葉を繰り返すことが目的の行為です。
具体的な意味を理解しようとしていないため、エコラリアとオウム返しには違いがあります。
自閉症スペクトラム(ASD)のエコラリアについて
自閉症スペクトラム(ASD)のエコラリアには言葉としての意味がなく、コミュニケーションの機能を持っていない言葉です。
言葉の意味を理解しないまま繰り返しているため、コミュニケーションとして成立しないその場に合わない言葉になっています。
適切な言葉に置き換えたり、わかりやすく提示したりするなどの、個々に合わせた対応が必要になります。
エコラリアによる影響
エコラリアによる影響として、以下のような点が考えられます。
●コミュニケーションが難しくなる
●人間関係の構築が難しくなる
●学習が遅れてしまう
●ネガティブな印象を持たれやすくなる
それでは詳しく説明します。
コミュニケーションが難しくなる
日常生活でエコラリアが頻繁に出る場合、適切なコミュニケーションをとることが難しくなります。
対話がスムーズに進まなくなるため、相手との会話が途切れてしまいます。
周囲との意思疎通が難しくなると、クラスメイトや友人とのコミュニケーションもうまくいかなくなることがあります。
人間関係の構築が難しくなる
エコラリアにより、適切なコミュニケーションが難しくなることは、人間関係の構築にも影響します。
友人やクラスメイトがエコラリアを理解していない場合、コミュニケーションの難しさから、クラスの中で孤立することや、友達との関係がうまくいかなくなる可能性があります。
学習が遅れてしまう
エコラリアにより先生やクラスメイトとの意思疎通がうまくいかないだけでなく、もともと言葉の理解ができていない可能性があるため、学習の理解が困難になることがあります。
ほかの子どもと協力する学校のように集団行動が必要な環境では、コミュニケーションの難しさが学習に影響を及ぼすことが少なくありません。
ネガティブな印象を持たれやすくなる
エコラリアに対し、周囲が理解していないと、ネガティブな印象を持たれやすくなります。
学校のクラスメイトや先生など、エコラリアについて周知されることもありますが、関わりのある全ての人から理解をしてもらうことは難しいです。
自閉症スペクトラム(ASD)のエコラリアの対処方法
自閉症スペクトラム(ASD)のエコラリアの対処方法として、以下のようなポイントがあります。
●言葉の意味を教える
●言葉の代わりの手段を教える
●反復頻度・タイミングをチェックする
●専門家に相談する
それでは詳しく解説します。
言葉の意味を教える
エコラリアによって言葉を繰り返す場合、どのような場面で使うのかを丁寧に説明することで、理解してもらえるようになります。
言葉の意味を説明するだけでなく、適切な文脈で言葉を使う練習をすれば適切に使用できます。
新しいフレーズを学びながら実際の会話に使用することも、コミュニケーション能力を向上させるために重要です。
言葉の代わりの手段を教える
エコラリアが繰り返され、言葉の理解やコミュニケーションが難しい時は、代わりの手段を教えることも有効な手段です。
絵カードや写真、ドロップタップなどのアプリなど、子どもに理解しやすい代替手段により、様々なコミュニケーション方法を身につけられるようになります。
代替手段による表現を学習すれば、子どもは状況に合った言葉を使い分けられるようになるため、柔軟にコミュニケーションができるようになるでしょう。
反復頻度・タイミングをチェックする
エコラリアが発生する場面を観察することで、効果的な対処法を見つけられるようになります。
例えば特定の場所や時間などと接する際にエコラリアが発生するなら、その状況や場面が関係している可能性もあります。
どのような場面で起こっているか、観察してみましょう。
専門家に相談する
エコラリアに対する適切な対応を行うには、専門家に支援してもらうことも大切です。
言語療法士や発達障害支援の専門家はエコラリアの理解があるため、状況に合わせた対処法をアドバイスしてくれます。
適切な対処をしたい方は一度相談してみましょう。
まとめ
今回は、エコラリアの詳細からオウム返しとの違い、対処方法までわかりやすく解説しました。
エコラリアは言葉を繰り返す症状なので、あまりに頻度が多くなると日常生活や対人コミュニケーションにも支障がでてしまいます。
なかなか改善されないときは、専門家に相談し、支援を受けることも一つの方法です。
児童発達支援 ステラ幼児教室では生徒を募集しています
名古屋、大阪市で展開している、児童発達支援事業所 ステラ幼児教室では、生徒を募集しています。
お子さまの言葉の発達や、コミュニケーションなどが気になる方は、お気軽にご相談ください。
見学、お問い合わせも随時行っています。