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小学生の癇癪、発達障害の可能性も?親ができる対応と相談先

2024.09.19
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癇癪は、乳幼児期から小学生にかけて多くのお子さんに見られる行動です。しかし、小学生になっても激しい癇癪を起こすと、どのように対応すればよいのか、対応に悩む保護者の方もおられることと思います。
このコラムでは、小学生の癇癪について、その特徴や原因、発達障害との関係について解説します。また、保護者の方ができる具体的な対応方法や、相談先についても紹介します。

子どもの癇癪とは?

癇癪とは、感情のコントロールがうまくできず、怒りや不満を爆発的に表現する行動のことです。
乳幼児期からみられることが多く、成長とともに落ち着いていくケースがほとんどですが、小学生になっても続くことがあり、その場合は、発達障害の可能性も考えられます。

癇癪には、年齢によって特徴があります。乳幼児期は、言葉がまだ十分に発達していないため、泣き叫んだり、体をよじったりするといった身体的な表現が中心となります。
一方、小学生になると、言葉による表現が増え、怒鳴ったり、暴言を吐いたり、物を壊したりという行動がみられるようになります。
次に、乳幼児期と小学生の癇癪の特徴と違いを、詳しく見ていきます。

乳幼児期の癇癪の特徴

乳幼児期の癇癪は、言葉がまだ十分に発達していないことや、感情をコントロールすることが難しいことから、泣き叫んだり、暴れたり、物を投げたり、またはこれらの行動を組み合わせたりする可能性があります。
乳幼児期の癇癪は、非常に一般的で、ほとんどの場合、成長に伴って自然に落ち着いていきます。しかし、家や外出先で、お子さんが度々癇癪を起こすのを見ると、対処に困ることがあるかもしれません。

乳幼児期の癇癪には、次のような特徴があります。

• 理由なく突然起こる
• 短時間(数分から数時間)続く
• 泣き叫び、転げ回るなどの激しい行動がみられる
• 親の言うことを聞かない
• 周りの人の注意を引こうとする

乳幼児期の癇癪は、さまざまな要因によって引き起こされる可能性があります。
例えば、空腹、疲労、退屈、または欲求不満などの要因が挙げられます。
また、発達障害や情緒障害が原因である場合もあります。
お子さんの癇癪が心配な時は、早めに保健センターや子育て支援機関や医療機関などに相談するとよいでしょう。

小学生の癇癪の特徴

小学生の癇癪は、乳幼児期に比べて複雑化し、様々な要因が絡み合って起こることがあります。主に以下のような特徴が見られます。

• 感情のコントロールが難しくなる: 思考力や言語能力の発達に伴い、感情のコントロールが難しくなります。自分の思い通りにならない状況や、自分の気持ちをうまく表現できないことに対して、癇癪を起こすことがあります。
• こだわりが強くなる: 小学生になると、自分の興味や関心、こだわりが強くなる傾向があります。自分のルールや習慣が崩されることに対して、敏感に反応し、癇癪を起こすことがあります。
• 社会性が高まる: 学校生活や友達との関わりの中で、社会性が高まります。集団生活のルールやマナーを守ることが求められる中で、うまく対応できないことに対して、癇癪を起こすことがあります。
• ストレスが溜まりやすい: 勉強や習い事など、小学生は様々なストレスを抱えています。ストレスが溜まると、些細なことで癇癪を起こすことがあります。
• 発達障害の可能性がある場合も:発達障害を持つお子さんは、感情のコントロールが苦手であったり、こだわりが強かったりする傾向があります。癇癪を起こす頻度や程度がひどい場合は、 発達の専門機関や医療機関に相談することも一つの方法です。

癇癪の原因とは何か?

癇癪を起こす原因は、身体的、心理的、環境的な要因が複雑に絡み合っています。

身体的要因としては、睡眠不足や空腹、疲労などが挙げられます。また、発熱や病気なども要因となることがあります。

心理的要因としては、ストレスや不安、怒り、欲求不満などが挙げられます。自分の感情をうまくコントロールすることができないと、癇癪につながることがあります。

環境的要因としては、しつけや家庭環境、学校環境などが挙げられます。しつけが厳しすぎたり、家庭環境が不安定だったりすると、ストレスを感じやすくなります。また、学校環境でのストレスや、友達関係などの人間関係が上手くいかないことが要因となることもあります。

これらの要因は、それぞれ単独で作用することもあれば、複数の要因が複合的に作用することもあります。
癇癪の原因を特定することは難しいですが、上記のような要因を意識することで、癇癪の予防や、癇癪への適切な対処が可能になると考えられます。

小学生の癇癪と発達障害の関係

小学生になると自我が芽生え、葛藤を抱えやすくなります。そのため、一時的に癇癪を起こすことは珍しくありません。しかし、癇癪が頻繁に起こる場合や、年齢の割に強く激しい場合は、発達障害の可能性もあります。
発達障害の一つであるADHDは、衝動性や感情のコントロールが苦手という特徴があります。そのため、癇癪を起こしやすい傾向にあります。
発達障害が疑われる時は、発達障害の特性を理解した関わりや対応をすることが必要です。

小学生の癇癪に対する適切な対応とは?

癇癪は、お子さんにとって成長過程の一部です。大人が適切な対応をすることで、お子さんが癇癪をコントロールする方法を学ぶことができます。
では、具体的にどのような対応をしていくとよいのでしょうか。

癇癪を防ぐためにはどうしたらいい?

お子さんが癇癪を起こした時には、「泣きわめく」「物を投げる」などのお子さんの表面的な行動が目につき、その行動が「困った行動」に見えるかもしれません。
しかし、お子さんの癇癪の根っこには、癇癪の要因となる出来事などの原因があり、お子さん自身が対応できずに困っており、癇癪という行動で表現していることもあります。
お子さんの癇癪に対応するには、まずその原因や、お子さんの状況や気持ちを理解していく姿勢が大切です。
その上で、癇癪が起こりやすい状況を把握し、事前に気持ちを切り替える方法を見つけていくことが大切です。

癇癪が起こりやすい状況を把握する

小学生のお子さんの癇癪は、様々な状況で起こり、お子さんによっても異なります。
どのような場面でお子さんが癇癪を起こしやすいのか、癇癪が起こった時の状況を把握しておくことで、事前に対策を立てることができます。また、お子さんの癇癪に対し、その時にとった対応も合わせて記録し、お子さんに合った対応方法を見つけていくことで、癇癪の頻度を減らすことができます。

事前に気持ちを切り替える方法を見つける

お子さんの癇癪は、本人にとっても周囲の人にとってもつらいものです。癇癪を未然に防ぐには、事前に気持ちを切り替える方法を見つけておくことも手立ての一つです。
具体的な方法としては、以下のようなものがあります。

・深呼吸をする:深呼吸は、気持ちを落ち着かせるのに効果的です。イライラする気持ちを感じたら、ゆっくりと鼻から息を吸い、口から息を吐くことを繰り返しましょう。
・好きなことをする:好きなことをすることで、気分転換になり、イライラする気持ちが収まることがあります。音楽を聴いたり、絵を描いたり、本を読んだり、スポーツをしたりなど、お子さんに合うものを見つけていきましょう。
・その場から離れる:イライラする気持ちを感じた時には、一人になる場所に行くなどその場から離れることで、気持ちを落ち着かせ、気持ちを切り替えることができます。

お子さんによって、ストレスや癇癪の原因は様々です。個々に合わせて、気持ちを切り替えられる方法を見つけていきましょう。

癇癪が起きた時にどうする?

癇癪が起こりやすい状況をできるだけ避けても、防ぎきれないことや、癇癪が起こってしまうこともあります。
そのような時にどのようにしたらよいのか、次に見ていきます。

安全を確保する

癇癪を起こしたお子さんは、興奮状態にあり、自分自身や周囲の人を傷つける可能性があります。
そのため、まず、安全を確保することが最優先です。
危険なものがない場所など、安全な場所に移動するようにしましょう。

落ち着くまで待つ

癇癪が起きたときは、冷静に対処することが大切です。安全な場所で安全が確保できたら、しばらく様子をみましょう。
癇癪は、時間が経てば自然に収まることが多いです。
癇癪を起こしているお子さんの気持ちは、本人でもコントロールできない状態です。
その時に、大人が怒鳴ったり、叩いたりといった行為は、お子さんの心を傷つけるだけでなく、大人との信頼関係を損なう可能性があります。
お子さんの気持ちが落ち着くまでは、静かに見守り、できるだけ冷静に接しましょう。

気持ちを代弁したり、共感する

癇癪を起こしているお子さんは、イライラした気持ちや怒りでいっぱいになっています。
そのような時は、お子さんの気持ちを代弁したり、共感してあげることが大切です。
例えば、「〇〇にイライラしてるんだね」「怒ってるのわかるよ」などと言葉にしてあげましょう。
また、お子さんの目を見て話を聞くことも重要です。

癇癪後の対応策

癇癪を起こした後は、ただ叱るだけでは逆効果になる可能性があります。
まずは、お子さんが落ち着きを取り戻すまで待つことが大切です。 そして、お子さんが落ち着いたら、癇癪を起こした原因について一緒に振り返ってみましょう。
お子さんが癇癪を起こした原因がわかれば、次は同じような状況にならないように対策を立てましょう。 また、癇癪を起こしたときにどうすればいいのか、お子さんと話し合っておくことも大切です。

落ち着いたことを褒めること

お子さんが落ち着いたら、そのことを褒めてあげましょう。
「落ち着いたね」「今はもう大丈夫だね」など、お子さんが落ち着いている状態を認めてあげることが大切です。

イライラの原因を一緒に振り返る

お子さんが落ち着いたら、なぜ癇癪を起こしてしまったのか、一緒に振り返ってみましょう。
お子さん言葉で自分の気持ちをうまく表現できない場合は、大人がサポートしながら、お子さんの気持ちを代弁したり、共感したりして、なぜ癇癪を起こしてしまったのかを探っていきましょう。
例えば、以下のような質問を投げかけてみましょう。

• どんな時にイライラした?
• どうしてイライラしたの?
• どんなことがしたかったの?
• どうしたらよかったと思う?

最初は上手く答えられないかもしれませんが、お子さんの気持ちに寄り添い、繰り返していくことで、少しずつお子さん自身も大人もお子さんの気持ちに近づくことができるようになります。
また、原因を振り返ることで、今後同じような状況を避けるためのヒントを得ることができます。
例えば、お子さんが宿題をする際にイライラすることが多い場合も、解き方がわからなくてイライラするのか、量が多くてイライラするのか、あとに遊ぶ予定があるからイライラするのかなど、その原因によって対応の仕方が変わります。
お子さんと一緒に癇癪の原因を振り返り、お子さんの気持ちを理解し、今後、癇癪を防ぐための対策を立てていきましょう。

小学生の癇癪に関する相談先は?

小学生の癇癪に関する相談先は、学校、医療機関、子ども家庭センター、児童相談所、発達障害支援センターなど多岐にわたります。
学校ではスクールカウンセラーや養護教諭が相談相手となり、医療機関では小児科や精神科を受診することができます。
子ども家庭センターや児童相談所は、家庭環境や子どもの発達状況を把握した上で適切な支援を提供してくれるでしょう。
発達障害支援センターでは、発達検査や療育相談など、お子さんの発達に合わせた支援を受けることができます。
癇癪への対応に困ったら、一人で悩まずに専門機関に相談してみましょう。

スクールカウンセラーや養護教諭に相談する

癇癪が続く場合は、学校のスクールカウンセラーや養護教諭に相談することも一つの方法です。

<スクールカウンセラー>
スクールカウンセラーは、お子さんの心のケアや相談にのることを専門としています。
癇癪の原因がストレスや不安、人間関係などの問題にある場合、カウンセリングを通してお子さんの心のケアを行い、癇癪の改善を図ります。
また、保護者の方へのアドバイスや家庭での対応方法についても指導してくれます。

<養護教諭>
養護教諭は、お子さんの健康管理だけでなく、心のケアにも対応しています。癇癪が身体的な原因によるものではないか、生活リズムや食生活に問題がないかなどをチェックし、必要に応じて適切な対応をアドバイスしてくれます。

<相談方法>
スクールカウンセラーや養護教諭への相談は、予約が必要な場合があります。学校のホームページや連絡先を確認し、事前に予約してから相談するようにしましょう。

医療機関に相談する

癇癪を繰り返す小学生のお子さんは、発達障害の可能性があるかもしれません。
発達障害は、生まれつき脳の働き方に特徴があり、コミュニケーションや社会性、学習などに困難が生じる状態です。
発達障害による、コミュニケーションの苦手さや、社会性や情緒面の育ちにくさが原因で、癇癪につながることもあります。
医療機関を受診することで、発達障害の有無を診断し、適切な治療や指導を受けることができます。
専門医は、お子さんの様子や発達歴などを詳しく問診し、必要に応じて検査を行います。検査の結果、発達障害と診断された場合は、療育や投薬治療など、個々のお子さんに合わせた治療計画を立てていきます。

・小児科や精神科: 小児科医や精神科医は、発達障害の診断や治療を行うことができます。
・発達障害専門外来: 発達障害の専門医がいる医療機関では、より専門的な診断や治療を受けることができます。

お子さんの癇癪が気になる場合は、一人で悩まずに、医療機関や支援機関に相談しましょう。早期に診断と治療を開始することで、お子さんの成長をサポートすることができます。

子ども家庭センターや児童相談所に相談する

お子さんの発達や子育てに関する相談は、児童相談所や、令和6年4月より各自治体に設置された子ども家庭センターでも行っています。
子ども家庭センターでは、保護者の方やお子さんが利用できる様々な社会資源につなぐ役割も担っており、地域の関係機関と連携しながら、子育て家庭を支援しています。
医療機関や専門機関などの情報提供も行っているので、どこに相談してよいかわからないときは気軽に、子ども家庭センターに相談してみましょう。

発達障害支援センターに相談する

発達障害支援センターは、発達障害に関する相談や支援を行う専門機関です。癇癪の原因が、発達障害によるものかどうか不安がある場合は、相談してもよいでしょう。
発達障害支援センターでは、次のような支援を受ける事ができます。

• 専門医による診察
• 心理検査の実施
• 療育プログラムの提供
• 親への支援や指導

発達障害支援センターは、各都道府県に設置されています。お近くの支援センターの情報は、各都道府県のホームページや、厚生労働省のウェブサイトで確認することができます。
発達障害支援センターに相談する際には、事前に以下の情報を整理しておくとスムーズです。

• お子さんの年齢
• 癇癪の症状
• 癇癪が起こる場面や時間帯
• お子さんの発達状況
• 家族歴

発達障害支援センターの相談員は、専門的な知識と経験を持っています。お子さんの癇癪の原因や適切な支援方法について、親身になって相談に乗ってくれます。発達障害の可能性が不安な場合は、まずは気軽に発達障害支援センターに相談してみましょう。

小学生の癇癪についてまとめ

小学生のお子さんの癇癪は、乳幼児期と比べて表現方法が変化するため、周りの大人は戸惑うことがあるかもしれません。しかし、お子さんが癇癪を起こす背景には、様々な要因があり、発達障害が隠れている場合もあります。
お子さんの癇癪の背景にある原因やお子さんの気持ちを理解し、適切な対応とサポートを受けることで、お子さん自身が少しずつ癇癪のコントロールができるようになっていきます。
もし、お子さんの癇癪が頻繁に起こる場合や、日常生活に支障をきたすような場合は、保護者の方が一人で悩まず、相談機関や専門機関に相談しましょう。
焦らずにお子さんと向き合っていきましょう。

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