乳幼児健康診査について
- 福祉制度・サービス
こんにちは。名古屋市にある児童発達支援のステラ幼児教室です。
今回は乳幼児健康診査についてご紹介致します。
日本国における乳幼児健康診査の実施
乳幼児健康診断は「1歳6ヶ月児健診」「3才児健診」の2つの健診が各自治体に対し実施することが義務付けられています。「3ヶ月児健診」は法律では定められていませんが、実情としてはほぼ全ての自治体で3ヶ月健診または4ヶ月健診が行われています。
これらの健診は乳幼児の発達やお母さんの育児状態を把握し、支援するために行われます。また治療や療育が必要な時に早期に取り組めるためにも必要な健診です。
発達障害のようになかなか分かりづらい症状などにもいち早く気づく事ができるのが幼児健康診断の特徴でもあります。
母子保健法について
乳幼児と母親の健康保持をはかるために制定され、妊娠時から幼児までを国でサポートする法律です。上記の乳幼児健康診断である「1歳6ヶ月児健診」「3才児健診」は各自治体で実施することが義務付けられています。また、新生児マス・スクリーニング検査も都道府県及び指定都市を実施主体として実施が義務付けられています。
これら健診、検査により、発達障害などを見落とすことなく早期治療、早期療育を行えるようになりました。
- 目的
母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進を図るため、母子保健に関する原理を明らかにするとともに、母性並びに乳児及び幼児に対する保健指導、健康診査、医療その他の措置を講じ、もって国民保健の向上に寄与することを目的とする。 - 定義
妊産婦:妊娠中又は出産後1年以内の女子
新生児:出生後28日を経過しない乳児
乳 児:1歳に満たない者
幼 児:満1歳から小学校就学の始期に達するまでの者
新生児健診について
母子保健事業のひとつであるマス・スクリーニング検査は、産科医療機関で、生後5~7日目に足の裏からごく少量の血液をとり、特別な紙に染み込ませ検査をします。
これらの検査は大きく分けて内分泌疾患(ホルモンの異常)2疾患と、代謝異常症(栄養素の利用障害)の17疾患を主に対象としています。
フェニールケトン尿症等の先天性代謝異常及び先天性甲状腺機能低下症は、放置すると知的障害等の症状を来すため、新生児について血液によるマス・スクリーニング検査を行い異常を早期に発見することにより、後の治療と相まって障害を予防することを目的としています。
3ヶ月児健診について
上記のように、3ヶ月児健診は法律では定められていませんが、実情としてはほぼ全ての自治体で3ヶ月健診または4ヶ月健診が行われています。
健診内容(自治体や医療機関によって異なる場合があります)
①身体測定(身長、体重、頭囲、胸囲)
②追視の確認
③仰向けでの姿勢の確認
④首のすわり具合の確認
⑤顔を横に向けたときの体の動きの確認
⑥縦抱きしたときの姿勢の確認
⑦横抱きしたときの姿勢の確認
⑧うつ伏せにしたときの姿勢の確認
⑨聴覚の確認
⑩反応や表情、動作の確認
⑪エコー検査(腎臓、肝臓)
⑫股関節脱臼の有無
⑬問診
1歳6ヶ月児健診について
運動面・精神面での発育について丁寧に確認していきます。また全身の健康状態も診ていきます。健診により発達の遅れに気づき、発達障害の早期発見と早期療育を行うことも目的としています。
健診内容
① 身体発育状況
② 栄養状態
③ 脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無
④ 皮膚の疾病の有無
⑤ 歯及び口腔の疾病及び異常の有無
⑥ 四肢運動障害の有無
⑦ 精神発達の状況
⑧ 言語障害の有無
⑨ 予防接種の実施状況
⑩ 育児上問題となる事項
⑪ その他の疾病及び異常の有無
3才児健診について
生活全般に関する問診のほか、運動面での発達、言葉や社会性など精神面での発達、などについて丁寧に確認をしていきます。発達の遅れが気になる場合にも相談ができます。
健診内容
① 身体発育状況
② 栄養状態
③ 脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無
④ 皮膚の疾病の有無
⑤ 眼の疾病及び異常の有無
⑥ 耳、鼻及び咽頭の疾病及び異常の有無
⑦ 歯及び口腔の疾病及び異常の有無
⑧ 四肢運動障害の有無
⑨ 精神発達の状況
⑩ 言語障害の有無
⑪ 予防接種の実施状況
⑫ 育児上問題となる事項
⑬ その他の疾病及び異常の有無
どこで受診できるのか
各自治体で健診場所は異なりますが、自治体にある保険センターなどの子育て支援機関のある施設などで行う場合が多いです。3ヶ月健診に関しては、実費で医療機関でも受けることができます。健診時期が近づいてきたら、自治体からのお知らせを確認しましょう。
出典:
・母子保健の現状 – 厚生労働省
・杉山登志郎著 「発達障害の豊かな世界」