大阪市の通級指導教室について ~通級による指導とは何か?対象児童は?~
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支援が必要なお子さんが小学校に入学する前に、保護者様も不安に思われたり、進路に迷われたりすることと思います。
進路に迷われたときに、『支援学校』や『支援学級』は何となくイメージがつきやすいかもしれませんが、『通級指導教室』はどんなところ?と思われる方も多いのではないでしょうか?
以前の記事で『支援学校』と『支援学級』と『通級指導教室』の違いについてお伝えしましたが、大阪市の通級指導教室がどのようなものか、どのようなお子さんが対象で、どこで受けられるのかをより詳しくお伝えしていこうと思います。
通級指導教室とは?
通常学級に在籍しながら、特別な支援を受けられる教室です。
通常の授業の他に通級による指導を加えるか、通常の授業の一部を通級の指導に変えて受けることになります。
通級の指導は、月に1時間から週に8時間をこえない範囲で行います。
個別の指導の他、小集団やグループでの指導を行うこともあります。
令和5年度現在、大阪市では、小中学校合わせて、在籍する学校で通級による指導が受けられる自校通級が35校、他校に定期的に通って通級による指導が受けられる他校通級を17校で開設しています。(大阪市のホームページ参照)
いずれ大阪市内の全校での通級開校を目指し、少しずつ自校通級が増えているようですが、まだ通級指導教室がない小学校もあり、その場合は通級がある学校(他校通級)に通うことになり、保護者の送迎が必要です。(他校の通級指導教室に通う場合の交通費のみ特別支援教育就学奨励費の対象となります。)
通級指導を希望される場合は、お子さんが通われる学校に通級指導教室があるか、もしもない場合はどの学校の通級指導教室に通うのか、確認する必要があります。
※他校通級は特に地域の指定はありません。
★他校通級を行っている大阪市内の学校はこちら→令和5年度 通級による指導(他校通級)の案内
どんな児童が対象ですか?
通常学級でほぼ学年相当の学習に参加できるお子さんで、LDやADHDなどの発達障害のお子さんや、知的障害がない自閉症、情緒障害等で学習上、生活上の困難を解決するために特別な指導を必要とするお子さんが対象です。
※知的障害があるお子さんは、生活に結びつく実際的・具体的な内容を継続して指導することが必要であることから、一定の時間のみ取り出して行うことにはなじまないことを踏まえ、現在、通級による指導の対象となっていません。(文部科学省のホームページ参照)
通常学級での授業を通常的に受けることができ、学習上、生活上の支援が部分的に必要なお子さんに、通級指導教室が向いているかもしれませんね。
どのような指導をしていますか?
お子さんの障害に応じた「自立活動」を行います。必要に応じて、教科の内容を取り扱いながら、「自立活動」に取り組むことができます。
自立活動とは、個々のお子さんの障害による学習や生活面での困難を、改善・克服するための活動を言います。
日常生活に必要な動作そのものをできるように訓練するのではなく、「気持ちの整理が苦手」、「手先を使うことが不得意」、「注意して見ること・聞くことが苦手」、「場に合ったコミュニケーションをとることが難しい」などのお子さんの困難さを、学習によって改善・克服していくことを目的としています。
通常学級での学習の遅れを、通級指導教室で取り戻すということはできません。
例1 LDのお子さん。漢字を覚えることが苦手で、見て記憶するより聞いて記憶する方が得意なお子さんの場合
★自分の得意な方法で漢字を学ぶ
→語呂合わせやイメージなどで漢字の覚え方を考える。
漢字カードの裏に覚え方を記入し、それを出題してもらい、思い出して書く。
毎時間繰り返し、3回思い出して書くことができたら、クリアマークをつける。
例2 相手の気持ちや場の状況を感じ取ることが苦手で、聞いて理解するより、見て理解する方が得意。絵が得意なお子さんの場合
★自分に合った気持ちの対処の方法を練習する
→今週あったエピソードを振り返り、4コママンガ風に描いて、先生に伝える。
その中から気になったことを、先生と一緒に絵などにして、行動や気持ちや考えなどを
まとめる。
ストーリーブックとして保存し、振り返りで活用する。
例3 ADHDのお子さん。学習内容は理解できるが、通常学級で学習用具の準備や最後までやり遂げることなどが難しいお子さんの場合
★することリストを活用する
→することをリストに書き出す。
どの順番でするか、順番をつけ、先生に確認する。
できた項目を消す。
(通常級で使えるように、することリストの使い方を練習する)
*大阪市教育委員会の通級による指導より参照
通級による指導を受けたい時はどうすればよいのですか?
在籍する(または、在籍している)学校の先生にまず相談しましょう。
お子さんの障害の状況やご要望などを把握したうえで、利用が検討されます。
基本的には在籍校の校長先生の判断になるようですが、教育委員会などと連携を取って判断されることもあります。
就学前のお子さんで悩まれている場合は、就学相談で相談されるのもいいでしょう。