サヴァン症候群と言われる人々
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こんにちは。名古屋市・豊田市の発達障害専門の個別指導塾・児童発達支援のステラ幼児教室・個別支援塾です。
今回のステラブログは発達障害に関連した「サヴァン症候群」について書こうと思います。
サヴァン症候群について簡単に説明すると、サヴァン症候群とは一瞬で風景や音楽を記憶したり、パソコンでも時間がかかるような複雑な計算をこなすことができるという能力のことです。
ここで、サヴァン症候群の方の活躍が朝日新聞で取り上げられていたので紹介します。
鉄道がある風景を描き続けてきた自閉症の画家、福島尚(ひさし)さん(46)が12年前に描いた一枚の絵が話題になっているそうです。
(ガレリア デ カフェ リモン – http://galeriadecafelimon.web.fc2.com/fukushima-hisashi.html)
車体の細部から遠近感まで、まるで写真のようです。
しかし、ネットで「記憶だけで描く」と天才扱いされることに、父・清さんは戸惑いを覚えているそうです。「尚は努力家。絵を描く前には現場でメモを取るし、普段から鉄道雑誌で車体をつぶさに観察しているんです」との事。
(朝日新聞デジタル – http://www.asahi.com/articles/ASHDP5783HDPUTNB01H.html)
福島さんのように写真のようなリアルな絵を描いたり、一度聞いただけの曲を完全に再現できたりなど特定の分野において類い稀な能力を発揮する人がいます。そんな方々のことをサヴァン症候群と呼びます。
一説によると、サヴァン症候群は自閉症患者の10人にひとり,脳損傷患者あるいは知的障害者の2000人にひとりの割合でみられると言われています。類い稀な能力を発揮しながらも、一方では掃除や靴ひもを結ぶなど日常生活に必要な(定型発達者にとって)簡単な行動がとれないというケースも見られます。
また、もちろんすべてのサヴァン症候群の方に社会性がないというわけではありませんが、多くの方がコミュニケーション障害などの発達障害の症状を示しています。
またその天才的な能力は、ごく限られた分野でのみ発揮されることが多いようです。例えば複雑な航空写真を一度見ただけで細部まで再現できる能力があるのに普通の絵を描かせると常人と変わらない絵しか描けなかったということもあるそうです。
ではどうしてサヴァンの能力が生まれるのでしょうか?
それはまだ原因がはっきりとわかっていません。おそらく脳の変形症であろうとは言われています。
こだわりの強さも持ち合わせ、そして非常に記憶力がよいです。
それだけではなく色彩感覚というサヴァンの能力を持った女の子もいます。
3歳でこんな幻想的な色使いができてしまうのですね。
有名人にも多いサヴァン症候群
サヴァン症候群で有名な人と言えば、
相対性理論の生みの親アインシュタイン、発明王エジソン、音楽家モーツァルト、モナリザを描いたレオナルド・ダ・ヴィンチなどがいます。
また、日本人では山下清画伯、ジミー大西さん、村松邦弘さんもサヴァン症候群といわれています。
こうしてサヴァン症候群と言われる方たちを見てみると「なるほど」と納得してしまいますね。
サヴァン症候群は障害ではなく個性
上述したようにサヴァン症候群は天才的な能力を持つ一方で様々な障害を併せ持つため、問題行動のように見える言動をすることがあります。
しかし、それは本人の意思による問題行動ではありません。
障害として捉えるのではなく個性として認知することで、その能力を活かすことができるのです。
自閉症スペクトラムの子どもたちの中でサヴァン症候群ほどの能力がなくても。特定の分野で優れた能力を発揮する子どものことをアメリカでは「ギフテッド」と呼んでいます。「神様から特別な能力を与えられた人」という意味です。
日本ではまだ認知度が高くありませんがアメリカでは様々な形の支援プログラムがあります。
類い稀な能力を持ち合わせ、型にはまらない世界を作りあげていく彼らは私たちではできない何かを教えてくれ、色々な世界への視野を広げてくれるのではないでしょうか。
「概念」を捨てて彼らの個性を伸ばしていける世の中になるとよいですね。