コラム コラム

発達障害児へのソーシャルスキルトレーニング、ゲーム感覚で

2015.05.16
  • 発達障害
  • ASD(自閉症スペクトラム)
  • ADHD(注意欠如多動性障害)
  • LD(学習障害)
  • 支援方法・家庭での過ごし方

皆さんはソーシャルスキルトレーニング(略してSST)をご存知でしょうか。
 

ソーシャルスキルトレーニング(SST)とは

遊ぶ子供

まずソーシャルスキル(SS)とは、多くの人とかかわって生活をしなければならないこの社会で、対人関係を上手く構築したり集団行動を上手にとるための技能のことです。
ソーシャルスキルは「相手にお願いするときは優しい言い回しをする」といった言語的なスキルから、「相手に必要以上に近づかない」などの非言語的なスキルを含みます。
そのままですが、ソーシャルスキルトレーニングとはこの様なスキルのトレーニング(訓練)のことです。

 

この様に、ソーシャルスキルは生活していく上で最も大切なスキルの一つでありますし、生まれつき身につけているものではありません。
しかしながら、特別な訓練や授業を受けたことがある方はあまりいないのではないでしょうか。

 
なぜならば、多くの人は家族や周りの人の様子を見聞きして学んだり、親や先生などに「何かしてもらったらありがとうを言いましょう」などと言われ、自然に身につけてきたスキルだからです。
 

発達障害児におけるソーシャルスキルトレーニング

しかしながら、発達障害などで自らの能力にバラつきがあると、ソーシャルスキルを自然に学ぶことが難しくなります。
それにより、発達障害児は年相応のソーシャルスキルの欠如により周りから浮いてしまったり、適切な対人関係を構築することが難しいのです。
ではソーシャルスキルを自然と学ぶことが難しいならば、ソーシャルスキルを特別に学ぶ場を設ける必要があります。
それがソーシャルスキルトレーニングです。
いろいろな場面を事前に想定して体験しておくことで、予想外の出来事が起きても臨機応変に対応できるためにトレーニングを行います。
 

ソーシャルスキルの5領域

ソーシャルスキルは以下の5つの領域から成り立っています。
1.仲間関係スキル:他者に挨拶したり、分かち合ったりするスキル。
2.セルフマネージメント・スキル:いろいろな感情を認識し、他者からの非難に対応するスキル。
3.教室スキル:指示を聞き、従うスキル。
4.ルール順守スキル:ダメと言われたらそれに従うスキル。
5.アサーションスキル:交渉をするスキル。
 

ソーシャルスキルトレーニングの具体例

ソーシャルスキルトレーニングで良く用いられる方法が絵カードや写真を提示して、「この様な時は何というか」を問いたり、「こういう場面ではこの人はこういう気持ちになります」といったことを説明します。
 
●具体例
sstの例

<引用:日本標準の「U-SST ソーシャル スキル ワーク」(http://www.nipponhyojun.co.jp/)>
 
上記の例は対象年齢が低めですが、ソーシャルスキルトレーニングは青年期も対象にしています。
ありがちなシチュエーションですが「友達が他の人たちと一緒にいても、ねたんだり怒ったりしないことは、友達と付き合う上で大切なことです」など。
 

ソーシャルスキルトレーニングを遊び・ゲーム形式で行う

三重県教育委員会事務局さんがゲーム感覚でできる面白いソーシャルスキルトレーニング方法を出していたので紹介します。
紹介していたうちの一つに「だるまさんが拾った」というものがあります。
 
・ゲームのルール

だるま2

1.オニが「だるまさんがひろった」と言っている間に、鬼ではない人はボールを拾ってかごに入れます。
この時、オニが見ているときは動いてはいけません。(ここは「だるまさんが転んだ」とゲームル-ルは同じです)
2.動いているところをオニに見つかったら持っているボールを下に置くか、かごから1つ減らす。
3.オニが、10回掛け声をかけ終えた時点でボールを置く集めたチームの勝ち

 
このゲームで上記の教室スキルやルール順守スキルを伸ばすことが出来ます。

[参考]
・「日本標準」(http://www.nipponhyojun.co.jp/)
・「三重県教育委員会事務局」(http://www.mpec.jp/)

幼児教室を詳しく見る

個別支援塾を詳しく見る

シェアする

フォローする

コラムトップへ
資料請求・見学 無料体験のお申し込み