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発達検査(田中ビネー式知能検査)は何がわかる ? wiscとの違いや新版K式との違いは?

2025.03.14
  • 発達検査・心理検査等

発達検査の一つである「田中ビネー式知能検査」は、知能や発達の状態を評価するための心理検査です。1905年にフランスのビネーとシモンによって開発されたビネー式知能検査を基に、1947年に日本で改訂されたものです。この検査は、年齢に応じた知能の発達を測るため、特に日本の教育や福祉において広く利用されています。

田中ビネー式知能検査の特徴

1. 個別知能検査

この検査は、個別に行われるため、検査者は被検者の反応や行動を観察し、どのように問題を解くかを直接見ることができます。
これにより、知能指数(IQ)だけでなく、その人の思考や反応の仕方から個性や特性も把握できる点が大きな特徴です。

2. 日常経験に基づく評価

検査は、生活に密着した問題を用いて知能を測るため、単なる理論的な問題解決力だけではなく、実際の生活での判断力や思考力を反映しています。
そのため、より現実的な知能を評価できるとされています。

3. 年齢別の評価基準

年齢ごとに適切な難易度が設定されており、精神年齢(MA)を算出することで、発達の程度を数値で示します。この「精神年齢」と「生活年齢」を比べることで、その人の知能が年齢に見合っているかを知ることができます。

検査の方法

検査は、年齢に応じた問題が出題されます。
たとえば、1歳~3歳の子どもには簡単な問題が、14歳以上にはより難易度の高い問題が出題され、最終的に知能指数(IQ)が算出されます。
精神年齢と生活年齢をもとに、IQは以下のように計算されます:

精神年齢(MA):正解した問題に基づく年齢
生活年齢(CA):実際の年齢
IQ:精神年齢を生活年齢で割り、100を掛けて算出

田中ビネー式知能検査の改訂

最初の田中ビネー式検査からいくつかの改訂が行われ、現在では118問の問題が使用されています。
特に1987年に行われた改訂では、検査項目の見直しや評価基準の改善が行われ、現在の検査はより多様な発達を反映できるようになっています。
新しい版では、より多くの年齢層に対応した設問や、最新の心理学的知見を取り入れた改良が加えられました。

他の知能検査との違い

1. WISC検査との違い

田中ビネー式検査とWISC(ウェクスラー式知能検査)はどちらも知能を測定するためのテストですが、目的や方法に違いがあります。WISCは特に認知スキルに焦点を当てているのに対し、田中ビネー式検査は日本の文化や言語に合わせた評価が特徴です。また、田中ビネー式は言語能力の評価が強調されており、特に日本人に適した設問が多いのが特徴です。

2. 新版K式知能検査との違い

新版K式知能検査も発達段階における知能を測るためのテストですが、田中ビネー式との違いは、測定方法や問題の出題形式にあります。K式は発達段階を細かく分け、より細かな年齢層の特性に合わせた評価を行いますが、田中ビネー式は精神年齢と生活年齢を基にした評価で、比較的直感的に理解しやすい点が特徴です。

発達検査の活用方法

1. 教育現場での利用

教育現場では、田中ビネー式知能検査を通じて、生徒の学力や知能の発達具合を把握し、個別の学習プランを作成する際に活用されます。
例えば、学習が遅れている子どもには個別支援が必要な場合、その特性に合った指導が行われます。
また、特別支援が必要な生徒の支援計画の使用にも有効です。

2. 特別支援教育

発達障害や学習障害を持つ子どもたちには、個別の支援が必要です。
田中ビネー式知能検査は、こうした子どもたちの特性を明確にし、個別教育計画を作成するための基礎データを提供します。
教師や保護者は、この結果を参考にして、子どもの発達に合った支援を行うことができます。

3. 家庭での活用

家庭での利用においては、子どもの発達状況を把握するための一つの手段として活用できます。
特に子どもの学習面での課題が見つかった場合、その原因を探る手助けとなり、家庭での教育方針を立てる際にも有用です。

まとめ

田中ビネー式知能検査は、発達障害や知能の遅れを早期に発見するための有用なツールであり、教育現場や特別支援教育において大きな役割を果たしています。
また、改訂が進むことで、より多様な発達を反映できるようになりました。
この検査は、個々の子どもの特性に応じた支援や教育を行うための有効なツールの一つとなっています。

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