WISC検査について
- 発達検査・心理検査等
• できることはどこまでか?
• どのくらい発達・成長したのか?
• 得意・不得意は何か?
お子さんについて、これらの疑問に対する客観的な答えを知るべく用いられるのが「発達検査」です。
発達状態を検査し、発達上の問題がないかを調べ、特性を知ることで最適な療育・教育が受けられます。
発達検査にはウェクスラー式知能検査 (WISCやWPPSI)、ビネー式 (田中ビネーなど)、K-ABCⅡなど様々な種類がありますが、当個別支援塾では「WISC-IV (ウィスク-フォー)」の受験が可能です。
⇒「WISC検査申込み手順について」詳しく知りたい方はこちらへ
以下にてWICS-IV(ウィスク-フォー)の概要をご説明致します。
他の発達検査については別ページで概要を紹介しています。
興味のある方はそちらも参考にしてみてください。(他の発達検査の紹介ページはこちら>>)
以下では、WICS-IVの概要をご説明致します。
WISC-IVとは
WICS-IVは代表的な児童用発達検査で、以下の特徴があります。
• 世界で広く利用されている
• 5歳0カ月~16歳11カ月が対象
• 60~90分の所要時間
• 15の検査で構成
• 5種類の合成得点(全検査IQ、4種類の指標得点)を算出
• 知的発達の様相をより多面的に把握
合成得点とは
算出される合成得点は言語理解指標 (VCI)、知覚推理指標 (PRI)、ワーキングメモリー指標 (WMI)、処理速度指標 (PSI)、全検査IQ (FSIQ)の5種類です。
各合成得点が評価する能力は以下の通りです。
言語理解指標 (VCI)
お子さんが持つ語彙や言語的な知識、言葉による推理能力(言語理解だけでなく、言語表現やコミュニケーションも影響します)
知覚推理指標 (PRI)
視覚的な情報を取り込み、前後関係や全体を推測する能力
ワーキングメモリー指標 (WMI)
聴覚的な情報を一時的に正確に記憶する能力
処理速度指標 (PSI)
視覚的な情報を素早く認知し、事務的に数多く正確に処理する能力
全検査IQ
上述の言語理解指標 (VCI)、知覚推理指標 (PRI)、ワーキングメモリー指標 (WMI)、処理速度指標 (PSI)により算出される値です。
いわゆる「IQ」として知られているもので、スコアによって以下のように位置づけられます。
• 80~120
平均内のレベル
• 70~79
境界線レベル
• 69以下
軽度の遅れが認められるレベル
各指標得点の測定方法
言語理解指標 (VCI)、知覚推理指標 (PRI)、ワーキングメモリー指標 (WMI)、処理速度指標 (PSI))の各指標を計測する際は、それぞれ3種類程度の検査を行います。
各検査は「基本検査」「補助検査」に大別され、「補助検査」はお子さんの状況によって「基本検査」が実施できない場合に用いられます(例えば、軽い運動障害のあるお子さんに対し、「符号」の代替として「絵の抹消」を行うなど)。
以下、各指標の測定に行われる検査について解説します。
言語理解指標 (VCI)
• 類似:2つの言葉を口頭で提示し、それらがどのように類似しているかを説明させる基本検査
• 単語:絵を見せて名称を答えさせたり、言葉を読み上げ、その意味を答えさせる基本検査
• 理解:日常的な問題の解決や社会的ルールなどについての理解に関する質問をし、それに口頭で答えさせる基本検査
• 知識:一般的な事柄に関する知識に関する質問し、口頭で答えさせる補助検査
知覚推理指標 (PRI)
• 積木模様:モデルとなる模様を提示し、指定の積木を用いて作らせる基本検査
• 絵の概念:共通の特徴を持つグループになるように、各段から一つずつ絵を選ばせる基本検査
• 行列推理:複数の絵の規則性を見つけ、5つの選択肢から空欄に当てはまるものを選ばせる基本検査
• 絵の完成:絵のカードを見せ、その絵の中で欠けている重要な部分を指差しか言葉で答えさせる補助検査
ワーキングメモリー指標 (WMI)
• 数唱:「順唱」(読み聞かせた数列をそのまま復唱)と「逆唱」(読み聞かせた数列を逆に答えさせる)からなる基本検査
• 語音整列:一連の数字とかなの組み合わせを読み聞かせ、数字は昇順に、かなは五十音順に答えさせる基本検査
• 算数:算数の問題を口頭で提示し、制限時間内に暗算で答えさせる補助検査
処理速度指標 (PSI)
• 符号:幾何図形、または数字と対になっている簡単な記号を制限時間内になるべく多く書き写させる基本検査
• 記号探し:左側にある記号と同じ記号が、右側の記号のグループの中にあるか、ないかを答えさせる基本検査
• 絵の抹消:さまざまな絵の中で指定された種類の絵に斜線を引く補助検査
発達障害の診断
WISCの結果によって「発達障害」と診断されるのは、全体的にIQが低い場合のほか、ワーキングメモリ指標 (WMI)の下位検査の点数が低い場合や、下位検査間で得点に大きな差が存在し、かつ日常生活に支障が出ている場合などが該当します。
尚、ご紹介したWISC-IVは発達障害の診断基準のひとつですが、発達検査だけで発達障害を診断することはございません。