描画は、筆記具の持ち方や筆圧なども必要になります。筆記具を正しく持てない、力のコントロールができないことなどで、お子さんが「うまく描けない」と感じてしまうこともあります。まずは、「描くこと」の楽しさや「描けたこと」の嬉しさを味わってもらうために、お子さんに合わせた「クレヨン」を用意しています。

教室では靴を上靴に履き替えます。その時に、小さなお子さんが靴の着脱がしやすいように椅子を用意し、靴のマークの目印をつけました。高さと大きさがちょうどいいので、これに座ると着脱がしやすいようです。環境の一工夫でお子さんのできることが増えます。

野菜や果物のままごとのおもちゃも、使い方でいろんなことができます。名前を覚える、包丁を使って切る、トングなどでつかむ、数を数える、色分けをする、ごっこ遊びなど、お子さんや授業のねらいに合わせていろんな使い方を取り入れています。

イラストやシンボルで自分の要求や意思などを伝えるツールである「ドロップタップ」というipadのアプリを導入しています。たくさんの図柄の中から好きな図柄を選んで表示し、2択の意思表示などをするので、意思表示がまだ難しいお子さんにもやり方を理解してもらいやすくなります。

台紙の穴にペグをはめるペグさしは、指先の微細運動や色を見比べる視覚認知課題で利用しています。ペグの数や色を増やし、課題のステップを上げることもあります。お子さんの興味に合わせた台紙を作り、よりお子さんに楽しんで取り組んでもらえるように工夫もしています。

年長さんの療育の時に、学校で使う学習机に変え、カバンを机の横のフックにかけたり、机の引き出しに筆箱や下敷き、プリントなどを入れたり、自分一人で授業の準備や片付けができるようになるための練習をします。小学校に入学する前に、小学校の環境をイメージすることにつなげ、自発的な行動ができるように先生に困ったことを伝える練習などもしています。

レッスン中に「あと5分」「10分まで」など、時間の長さの感覚はわかりにくいので、目に見えてわかりやすいようにこのような時計を使うこともあります。残り時間が赤く表示されるので、時間が少なくなっていく様子が目に見え、「半分終わった」「もう少しで終わる」などがわかりやすくなります。

ボディイメージ（自分の体ができる動きや自分の体の大きさを無意識につかんでいるイメージ）を育てることはとても大切です。この平均台は長さや向きを変えられるので、体の平行感覚の向上や体の動かし方の調整など、ボディイメージを掴む練習になります。